恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。2
ギルドのレトさん、騎士団との調整で忙しいところにお祭りの警備まで手伝って!ついでに顔の良い男を三人用意して!と、言われてそれは困っていたそうだ。
ルルクさんとウィリアさんの手首をがっちり掴み、
「あと一人‥、あと一人だ」
と、つぶやいているので大変怖い。
恋愛ゲームのはずがホラーゲームになってないか、これ。
「レトさん、とりあえず落ち着いて下さい‥。というか、まずはしっかり休んだ方がいいですよ」
「で、でも、あと一人見つけて連絡だけでもしておかないと落ち着かない‥。いや、落ち着けない」
「完全に社畜みたいになってる‥。ど、どうしましょうルルクさん」
「その前にこれはもう決定なのか?」
レトさんがルルクさんとウィリアさんを見て、「頼む!!!報酬に色を付けろ!ってお願いするから!」と、切実な顔で頼み込んでいる‥。ウィリアさんはルルクさんを見て、
「祭りは一週間後で一日で終わるからさ、悪いけど手伝ってくれないか?」
「‥‥だがユキが」
「留守番をしてもいいんですけど、せっかくですし一緒に行きましょうよ。隣町なのに行ったことないですし」
「ありがとう!!恩に着る!!!」
勢いよく頭を下げたレトさんにルルクさんはちょっと驚いた顔をしたかと思うと、私をじっと見て、
「‥何も起こすなよ」
なんて言ってるけど、どうやら承諾してくれたようだ。
しっかしお祭りに行くだけで一体私が何を起こすというのだ。ルルクさんの中で私はどんだけトラブルメーカーになっているのだろう。じとっとルルクさんを睨むと、隣にいたウィリアさんがポンと手を叩いた。
「シヴォンが王都からそろそろ戻ってくるんだった!あいつも参加させましょう」
「え?」
「ほら、あいつもまぁまぁ顔はいいし、魔術も使えるし、適役じゃない?」
「それもそうかも?」
「‥‥なんであいつまで」
「だって顔が良いって条件だし。まぁ、うちの騎士団もそこそこいいと思うけど」
おお、すごい自信だ!ウィリアさんの溢れる自信に感心していると、レトさんがウィリアさんに早速「じゃあシヴォンさんにも頼んでおいてくれ!」と、お願いした。判断が早いなぁ。すると、後ろからバタバタと職員さんが駆け込んできた。
「レトさん!すみません、ちょっと問題が‥」
「すぐ行く。じゃあ、ルルクもウィリアも頼んだ!」
そう言うと、レトさんは慌ただしくギルドの奥へと引っ込んでいった‥。大丈夫かなぁ。後ろ姿をじっと見送ってしまったけど、心配しかない。
ウィリアさんは小さくため息を吐いて、
「ほら、レオルド王子がこの間ダルゴの町にユキちゃんを呼んで町を宣伝しただろ?あれで隣の領主から色々あることないこと言われて、レトさん関係ないのに結構やっかまれてるんだよね」
「そ、そんな‥」
「だからあのアホ王子にクレーム入れたら「どうにかしておいてくれ」って言われてさ‥。いきなり巻き込んじゃって悪いな」
「それは‥、」
こっちも悪い‥のか?
いや、やっかむ方に問題があるか。ルルクさんは眉を寄せ、
「あの王子に、もう少し周囲に気を配れって教えておいてやれよ」
「それが出来てたら苦労しないっての!ま、あっちも王都に戻ってあれこれサボってた仕事を今頃ヒーヒー言いながらやってるだろうけどな」
「そりゃいい気味だ」
おいおい‥と、思うけれど、完全に同意!な、部分もあるので私は小さく頷く程度にしておく。レオルドさん、温泉地でお別れしたけど王都か〜。それはそれで大変だろうな。
「じゃあ、俺もそろそろ仕事に戻るな。祭りは一週間後だし詳しいことが決まったらまたすぐ連絡するからよろしくな!」
「は、はい」
そう返事をすると、ウィリアさんは騎士さん達の方へ駆け寄り色々と話をし始めた。ううむ、一難去ってまた一難だな。とはいえ、少しはこっちで休めるから大丈夫かな。チラッとルルクさんを見上げると、私をジッと見ていてドキッとしてしまう。
「ルルクさん、どうかしました?」
「‥‥くれぐれも変な輩についていくなよ」
「ちょっと?私はどんだけ子供扱いするんですか!これでも元貴族ですよ」
「その元貴族様は本当に危険極まりないからなぁ」
「全部不本意なのに〜〜!」
むうっと口を尖らせると、
「その口、可愛いからやめておけ。キスするぞ」
「は、え!?」
慌てて両手で自分の口を塞ぐと、ルルクさんが可笑しそうに吹き出した。あ、もしかしてからかった!?私はルルクさんをじとっと睨むと、
「まぁ、帰ってからキスするけどな」
なんて軽ーーく言うものだから、私の顔から湯気が出そうになる。
ちょ、ちょっと!?首じゃなくて心の臓を切りつけるような発言をしないで頂きたいんですが!!
今日も読んで頂きありがとうオリゴ糖!( ◠‿◠ )
ルルクさんはどんどん甘えん坊になってくよ!コメントも欲しいよ!(強欲)




