恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベントと。1
結局、ルルクさんと一緒にのんびりお茶とお菓子を堪能した後は町まで買い出しに出かけた。王族の別荘で食べた豪華なご飯も美味しかったけど、ルルクさんのご飯も美味しいんだよね〜。私は不味い物を作るなら得意かな‥。恋愛ゲームの主人公なんだけどね。
色々な食材が並んでいる市場へ行けば、ルルクさんが私を見る。
「ユキ、今日はなにを食べたい」
「お肉にしましょう!別荘のご馳走も美味しかったんですけど、ガツンとした味も楽しみたくて」
「そうか。ならチーズも買っておくか」
なんて言いつつホイホイとあれやこれやと買おうとするので、私は思わず自分の財布の中身を確認すると、ルルクさんに「王子にたんまり請求しておいたから大丈夫だ」と、言われた‥。え、ちょっと、王子に?!と、思うがまぁいいことにしよう。なにせ今回は頑張ったしね。
しっかりお買い物をしてから、ギルドのレトさんに声を掛けてから帰ろうと話をして、二人でギルドの方へ行けば隣の空き地に建物が立てられている。
「あれって‥」
「ああ、あれがウィリアが言ってた騎士団か」
「そういえば言ってましたね!ギルドのあんな近くに建てるんだ!」
建物は屋根まで出来てはいるけれど、まだ壁はスカスカで‥。
職人さん達が声を掛けながらあちこちでトンカチを振っている。すごいなぁ〜!どんな世界でも職人さんって自分の手で色々作れて格好いいよな。
「お!ユキちゃんじゃん!帰ってきたんだ?」
「へ?」
声のした方を振り向けば、黒髪の短髪‥。
一見するとキリッとした感じなのにチャラッとしたウィリアさんがこちらへ駆けてきた。
「こんにちは。ついさっき戻ってきたんです。ウィリアさんはお仕事ですか?」
「そ!騎士団はまだ出来てないからギルドで間借りしつつお仕事ですよ。温泉はどうだった?仕事大変だったんじゃない?」
「そこは、まぁ‥。でも紋様士の先輩達から色々学べて楽しかったです!」
「そっか、良かったね。ええと、もしかしてギルドに行こうとしてた?」
「はい。買い物ついでに顔出ししておこうかと」
「そりゃレトさん喜ぶよ。色々大変そうだしねぇ」
大変?
何かあったのかな‥。
ともかくウィリアさんと一緒にギルドへ行くと、室内では騎士さん達やギルドの職員さん達がせわしなく働いている。わ、わぁ、なんか忙しそう?思わずルルクさんを見上げると、静かに頷いた。
「‥何かあったのか?」
「事件はないんだけど、隣の領地で花の祭をするんだって。花の馬車で町の中を練り歩くらしいんだけど、その花の馬車に領主の娘さんが乗ることになったから、警備をしっかりしたいらしくてさ。うちの騎士団とギルドにも協力要請が来て大忙しらしい」
「花の祭‥」
そんなお祭りあったんだ。
私はこの3年、この町からほとんど出なかったから初めて知ったわ。そっか〜、お祭りの準備で忙しいのか。こりゃ挨拶は難しい、かな?なんて思っていると、
「おう!ユキにルルクじゃないか!帰ってきたのか!」
「レト、さん‥!?」
いつもはどこか飄々としている茶色の髪とあご髭の渋いおじさんなのに、目の下に隈が!!しかもちょっとよれっとしてる!だ、大丈夫なの?相当大変な感じなの?私は心配のあまり、
「紋様、書きましょうか」
なんて聞いてしまった。
するとレトさんは目を潤ませ、「ありがとよ‥。でも、まだ大丈夫だと思う」なんて言うのでギョッとした。それ、かなり追い詰められている人が言うセリフ!!
「いや絶対ダメですからそれぇえええ!ほら、レトさん座って!滋養強壮!精神安定!ついでに安眠できる紋様も書きますから!」
「ううっ、でも警備の仕事に加えて、花の馬車を運転する顔のいい男を三人も手配しろって言われて‥」
「顔のいい男?」
「ウィリアに聞いてないか?花の祭‥」
「聞きました。聞きましたけど、馬車を運転するのになんで顔がいい男を用意する必要が?」
至極真っ当なことを聞いた私に、ウィリアさんがなんとなく察したような顔をした。
「あれでしょ、領主の娘さん結構綺麗な子だって聞いたから。それに見劣りしないような男を使って祭を盛り上げたいとかじゃない?」
「ええ?!娘さんだけじゃダメなの?」
「‥他にも目玉が欲しいって言ってて」
「ほら〜〜」
ウィリアさんが得意げに笑うけど、どうでも良くない?
ルルクさんを見上げると、「まぁ、そういう奴はいるな」と納得してた。そ、そうなの?驚いていると、レトさんがハッとしたようにルルクさんと、ウィリアさんをまじまじと見て、
「顔のいい男‥‥、ここにいた!!!」
と、叫んだ。
そういわれてハッとした。この二人、大変顔が良かったな!?
美形は三日で飽きるという言葉は本当なのか、我々はそれを確かめるべくアマゾンの奥地へ向かった‥!(ちなみに私は飽きない!!!!)




