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異世界修繕紀行  作者: スイスロー
2/6

目立つ行動を控えて動いたつもり


「あの、この場合欠勤でしょうか。まさか命を狙われるとは想定してなかったので、有休届け出す暇もなくて。」


馬車で街に行く間、御者の村人を挟んで会話し始める天久手。

後ろの荷台は盗賊が驚くほど静かに横たわっている

死体みたいで気味が悪いと、3人で前にいるため狭い


「急な事だったからなあ。しかも直の上司だろ?有休なんて受け付けてくれなさそう。でもまあ、ジン先輩が報告するんだから、クビにはならないと思う」


連絡用の通信機はあるが、電波のところがバツになっている。 ジン先輩の通信機が切られている


天久手も復元課内のPHSを持っているが、世界が異なるためか通じない。



「何か働き口を見つけれるといいですね、街で」

「そうだな、テンプレなモンスターはいなさそうだし、結構平和に、」


街は砦のように塀が設けられ、門番がいる。


が、今はいない。上が騒がしい。




鳥が大量に飛び交っていた。


地球の映画のような光景だ


役人の詰所と反対方向では、鳥が暴れまわり兵士が

駆除に躍起になっている。


「大変だな、普通の鳥にしか見えないが」

シンドウが話し終える前に、御者がかなり慌てて馬を走らせる



「見た目カラスにしか見えません、ね、?」

一羽こちらに飛んできた。



でかい。






軽トラくらいある。







「に、逃げろおおおおおおおおっ!!!」

固まる御者を押しやり、シンドウが馬に鞭を振るう。

渾身の力の鞭に、馬が泣き叫びながら全速力で走り出した


すでに鳥が兵士をついばみ、街の人を飲み込み、

阿鼻叫喚になりつつあった。


「ま、ま、魔法とかないんですか?もしくは銃火器!

天久手が目を輝かせて後ろを見ている


「魔法は、王都の魔法学院に魔法師がいるが、ここは

非常勤の魔法師くらいし、っかいないよ!」

御者がシンドウに道を教えながら、天久手に説明してくれた


でかいカラスは、盗賊の一人をついに捉え、ついばむ


「ひい?ひあ、うああゝ」

バキンッ、ゴキンッという砕ける音が響きわたり、

静かだった盗賊たちが一斉に飛び起き、荷台の奥へと逃げようとする


「い、嫌だあい、やだぁ、」

やめられない止まらないのかカラスはなおも盗賊をつまみ食いしていく。


「いや、一人も居なくなったら困るんだけど」

天久手は憮然とした顔でカラスを睨む


しかももう一羽合流して襲ってきた



天久手に巻きついているクロが毛を逆立て威嚇している


「よしよし、今あいつらを追い払うから」

そう言うと、カバンから光るボールを取り出した。


スイッチを入れると、眩しい発光を見せる


二つ取り出して、カラスにしか見せる

手を動かすたびにカラスも動く。


二つ同時に投げると、それぞれ近い方を狙って飛んでいき、見事咥えた。



瞬間、カラスの頭が光り、プジャッという音とともにカラスの体が落ちてきた

頭はない。




「えっ、今の何?!」

シンドウは主に拳銃とナイフで戦うが、初めて見た


「ああ、カラス除けの光るボールに、お手製の火薬を詰め込んで、しかも爆破するとき周りに衝撃がいかないように調整したんです、洞窟とかで穴を掘るときに

崩れないよう、モンスターや悪漢がいても被害は最小限で済みますから」



ほかのカラスが、さらに追いかけてきたが、たくさんボールを出して、次々放っていき、

バシュ、ドチュ、グチャ、ベチャ

擬音が響き渡っていく


重いものが落ちる音が増え、しばらくすると街中カラスの死体だらけになった。


「処理大変そうですね、重そうですし、腐ったら大変」のんびり天久手は欠伸をして、座った


「つ、着きました。」

座った直後、

到着を告げられる



村人が役人を呼びに行ったが、慌てていたので転ばないか心配です、と天久手がのんびり話す

シンドウは、テンプレな展開を警戒し、天久手の側にいた。



そして、建物から貴族の風体の男、兜鎧が立派な騎士と呼ぶにふさわしい男、一般的な鎧から察するに普通の兵士が、順番に扉から続々と出てきた。


どんどん出てくる。


天久手は避難訓練かな?と建物を見る。古い作りだが火事には強そうだ。だが、老朽化に伴い、所々補修が必要そうだ



そして気づけば馬車を囲まれていた

武器は腰に下げた剣だが、抜く様子はない

敵意はないらしい



貴族が一歩前に出る。


「魔王の手先タナトスバードを倒して頂きありがとうございました。あなた方が倒してくれなければ街を捨てて避難するところでした」


頭を下げる貴族。


「ワタクシの名前はベルヘム・フェルベタート。この街の長です。王都ファイサーから遠く離れた辺境の此処に、あなた方のような勇者が、

来てくださるとは。感謝しきれません。」


顔を上げたベルヘムは泣いていた


「ではどうか、此処ではなく我が屋敷へお越しください。捕らえた盗賊団の報酬も差し上げねば」


否応無く馬車周りを兵士で固められ、御者の村人も嬉しそうに乗り込んで動き出す



「天久手さん、やっちまったなぁー?!」

御者を挟んで、呆れ顔のシンドウと、勇者と言われて

揉め事の渦中に入ったことに気づいた天久手。


「あ、たまたまだって言えばなんとか」

「あんな光景、たまたまでは見れませんよ。静かに身を潜めるはずが、目立ちたいんですか貴方は」


屋敷に向かう間、街中に張り巡らされた用水路を見かけたが、水は流れていなかった


中心部にあるオブジェも噴水のようだが、水は出ていない。


屋敷に到着し、中にはベルヘムと天久手、シンドウ

そして名乗らぬ騎士が入った


他の兵士は外で待機を命じられ、御者は馬の世話をしながら二人を外で待つ


「まずは改めて、フェルベタートを救って頂き本当に

ありがとうございました。

しかも近隣を荒らしていた盗賊団まで捕らえて頂くとは。タナトスバードが毎日街を襲うせいで盗賊にまで手が回らず、見殺しにしていました」


「ワシは王都から派遣された騎士、ドルフだ。この通り、腕をやられてな。剣が振るえない。役立たずの騎士というわけだ。君たちには本当に感謝している、

王都に応援を頼もうにも、伝令が全て食われていたからな」

騎士は包帯が巻かれた腕をもう片方の手で持ち上げて見せる。


「夜なら鳥目で見えないのでは」

「と思うだろう。魔物の奴らに昼夜関係なく的確に位置を把握して襲ってくる」

(魔物が普通の鳥な訳ないか)シンドウが思案する中、天久手は出されたお茶を飲んでむせる。

飛び散るお茶はクロが服に着弾する前に全て舐めとった


素早い動きで見えないが、ベロベロベロベロという音だけ聞こえてくる





「よかったです、駆除できて。たまたま便利な道具があっただけですから。もうなくなったので次来たら倒せません。王都から応援を今のうちによんでください」



道具は作ればあるが、巻き込まれる前にここから離れたい


「うむ、それなのだが」

ドルフがベルヘムを見る

頷くベルヘム。



「ぜひ、君たちには道具の作り方を教えてほしい。

謝礼金は払う。衣食住も保証する。どうだろう?」


頭を、吹き飛ばしたのにもかかわらず、建物にダメージなし。

魔法師の魔法ならば敵が吹っ飛び、家屋も吹き飛ぶ

住む場所が無くなるのは日常茶飯事だ

そこに、あの威力で被害最小限となれば。


「ええと、製造は秘密ですので、魔法師とやらにお頼みに、ええ、建物が被害なかったのがすごい?

いやー、えへへへ、それほどでもないです」

照れる天久手、だが誘いには乗らず断った


明らかに落ち込むベルヘムとドルフ



「また、あの剣も通らない鳥に苛まれる日々が続くのか・・」



屋敷からお金を貰って出てきた2人。

ベルヘムが食い下がって街の宿に泊まることが決まり

盗賊団の礼金は村の資金にと御者に渡した。

狙われたら元も子もないので、護衛の兵士を付けて帰す。兵士は天久手を尊敬の眼差しで見ていたから金の横取りはしないだろう。


カラスの謝礼金だけで金色のコインが米五キロサイズの袋にみっちり詰まっている



「まあ、街の人には悪いけど、作れても私以外だと自分の頭吹き飛ばし終わるから無理なんだ」

まだ一つ残っていたボール。

ボンボン叩いて放り上げる。


シンドウは離れた場所に移動した

もらった謝礼金が予想以上に多かった為、

トリップ課の担当者が常備する墓穴を出した。


「この棺桶になんでも入るから、取り出す時は、十字を胸できれば出てくるよ」

しっとりとした質感の重たそうな棺桶が自動で開き、

中に吸い込まれていくお金。


「えっ、そんなのじゃなくても私のカバン質量無視ですので全部入ります」

ちょっと棺桶に引きながら天久手はお金をカバンにしまう。重さは一律1リットルの牛乳パック一本分だ


牛乳の1リットルは何グラムでしょうか?わかる?

形原上司の嫌味が幻聴で聞こえてきた


さすがに2人で一緒の部屋はとシンドウは遠慮したが

天久手はお金が勿体ないからと相部屋で同意した

その結果、


宿屋の親父が気を利かせ空いているスイートルームに通した。

と言っても調度品が綺麗なだけでトイレは部屋の外なのだが。

天久手は、持ち物の確認のためテーブルにカバンの中身を出して点検している

シンドウのことは全く気にしていないようだ


(一人で意識し過ぎたか。)

気を緩めるフリをしつつ、武器の手入れを行う

腕時計式の連絡ツールは武器も出せる

ベッドにあぐらをかいて両腕につけている時計からそれぞれ銃とナイフを出した。


盗賊たちには拳銃に麻酔弾を装填して撃ったが、カラスの時を考えて実弾に戻す


ナイフは可愛らしいピンクの刃に、白のガーベラマークが付いている。柄の部分は黄色で、パステルカラーの可愛らしい包丁に見える。



天久手は手を止めてナイフを見ていたが、シンドウが大切そうに手入れしているのを見て、察して何も言わない事にした。



「魔王の手先って事は、モンスターが旅先で出るって事ですね、ドラゴンとかレアメタルな流動体とかいるんでしょうね」


具体的なイメージを浮かべながら天久手はビーズのブレスレットを作り始めていた。


青と白と緑の涼しげな色合いで紡がれる




「タナトスバードって結構強そうな名前だよな。辺鄙な街とか言ってたから魔王のいる拠点からは離れている田舎だろ?」


実力の弱い敵も名前は強そうということか



「でも、剣が通らないって事は初心者が倒せるカラスではなさそうですよね、終盤くらいですよ」


特定の武器ないし魔法でしか倒せないとか限られた攻略法のモンスターは後の方だ



「たまたまフラフラーっときたんじゃないよな。何かここに狙いがあると。」


「でもまあ、王都から魔法師とか偉い人が来れば解決しますよ、明日はもうここを出ましょう。」

それだけ言うと、すぐ寝息を立て始めた。



「いやいやいやテーブルに突っ伏して寝るな!」

横抱きにしてベッドに運び、カバンは真ん中に挟み込むようにして隠す


センサーを仕掛けたから、盗っ人が侵入したらすぐ排除できるが、音で天久手を起こしたら悪いな。






朝。








「何考えているんですか?せっかくのスイートルームのダブルベッドでふかふか安眠が、なんで棺桶の中で目がさめるんですか!しかも寒い!カバンから毛布出さなかったら風邪ひいてました!シンドウさん酷!酷いん!」


防犯を考え、天久手を棺桶に匿ったが何もなくカラスの夜襲もなく朝が来た。

棺桶を開ければ、ジト目の天久手に張り手を食らった

そもそも君はベッドに辿り着けていないんだが


「殴ってごめんなさい。

守ってくれてありがとうございます

が、これからは

空調も気にかけてくださるとありがたいです」


ちゃんと頭を下げてお礼を言ってくれる。



「ごめん、気をつけて、うわっ!」

クロがシンドウの頭を揉みくちゃにする。


頭皮がむき出しだ。



「薄くなったらどうしてくれる!」

怒ってクロを追いかけると、ツボに入った天久手が

俯いて震えていた





「うわぁ、派手にやられてますねぇ」

街に散策に出かけた二人。


カラスことタナトスバードの死骸は昨日のうちに回収され、損壊を受けた建物の修復に追われて慌たゞしい

騒音に満ちていた



ひときわ大きな怒声が聞こえてくる

子供の泣き声もだ



屋台など何も出ておらず街の店はほぼ休業しており見るものがなかった二人は興味本位で覗いてみた



一軒の店が派手に壊されており、中の分厚い本がバラバラになって散らばっている

ガラスに入った瓶のカラフルな液体が全て床に流れて混ざっており、ガラスの破片でそこかしこが危険地帯になっていた


「なんて書いてあるんでしょうね」

看板の文字は独特の書体で全く読めなかった


言語も文字変換も自動で行われるが、どうやらクセが強すぎて読めないようだ



店の店員らしき老婆と、孫らしき子供、そしてよくある高利貸しの取り立てのような男数人がいた。



「おうおうおうっ!なんだよこの店の有様はよ?借りた金を返すために仕入れたっていうハイポーションが全て割れちまってるじゃねえか!どうすんだ?期限は

明日までなんだぞ?!」


「そう言われても、タナトスバードなんて奴らが此処にくるとは思ってなかったからねえ、襲われて生きてた事が奇跡さね。」


老婆は困った顔で店を見る



「権利書もあの中から探さないと、借金のカタに取られるにしても書類手続きは必ずいるだろう?今から探して、明日までにはアンタらに渡すよ」


「けっ!別に権利書もらいに来たわけじゃねえ。

そのままじゃ危ねえから片付けを手伝いに来ただけだ

、てめえら!しっかり片付けるんだぞ!」

リーダー格の金髪の軽薄そうな顔の男が見た目と違い、せっせと掃除をし始める。


「ばばあ、作れねえのかよ、ポーション。街随一の魔法師だろ?材料なら取ってくるからよう。」


なんだろう、全く介入しなくても解決しそうだ


天久手はほっこりしたと踵を返そうとした


「無理だよ、ハイポーションの原料は山奥深くに繁る

仙桃の乾物が必要なんだ。生ならエクスポーションが作れる、一個あれば家が豪邸で買える希少さなんだ。

たまたま知り合いに材料を融通してもらえただけなんだ。まあ、もう営業は無理だから、郊外の村に引っ込んで死ぬのを待つさ」


孫は老婆を抱きしめて元気出して?ね?と慰めている

金髪の男も悔しそうにしていたが、気を取り直して

店の片付けへと戻っていった。



「桃ねえ。そういや食料で撮ったヤマモモ、カバンにまだあったね。あとで食べよう」

「うーん、そうですね」

シンドウはてっきり介入すると思っていたので、傍観に徹する天久手にガッカリしていた

だが、まあ望んで来たわけでもないし、目立つのもよくない。取り立ての人も優しいようだから帰るか


そんな遣る瀬無さを残してシンドウはその場を後にした



その日は、明日から市場が再開するという知らせを受け、

もう一泊することに決めた二人。





シンドウはセンサーを昨日と同じく部屋に張り、眠りについた。


天久手は、シンドウが寝入ったのを確認しそっと起きる。







翌朝、二人は例の店の前を通ることなく、市場へと出かけていった。


一方魔法師の店は、知り合いに泊めてもらった老婆と孫が、金髪の男が慌てて呼びに来たため店に朝から来ていた。



店舗、商品全てがいつも通りになっていた

砕けたショーウィンドウも、なくなったポーションも

衝撃でページが混同した書物も、在りし日の場所へと還っていた。



孫は目を丸くし、何やらもこもこ口ごもる

老婆は目から大粒の雨を降らせて祈りの仕草を取った

金髪もおもわず呟く


「神さまって本当にいるんだ・・」

鍵はかけられており、老婆が首から下げている鍵を使って中に入る


一箇所だけ異なるものがあった



空き瓶だったはずの円形フラスコに、紫色の液体が詰められていた。



慌てて孫が栓を抜き、匂いを嗅ぐ

甘い桃の香りがする、伝説に近いポーション。


「・・まさか・・これなめておばあちゃん!」

孫がフラスコを傾け一滴垂らす。

老婆が手のひらで受け、舐める。

すると、顔のシワが取れ、手に張りが戻り、

髪の毛が白から金髪に変化していく




「かーちゃん!」

金髪の男が派手に腰をぬかした


「あれ、元の年齢に戻れて、るね!ふふ。」

巨乳の妖艶な女性がそこにいた


「おやおや、呪いが解けたねえ。」

逆に孫が年寄りめいた口調になる



「これはエクスポーション、しかも上等だ。

どうやら誰かあんたの呪いに気づいてくれたみたいだね。」




孫らしき子供は、倉庫の奥から荷物を出してきた

杖やら魔法師の装束やら一式だ



「え、どこに行くんですかお義母さま?」

「ほら馬鹿孫!アンタはここで働きな!母さんが呪いから解けたんだ。金貸しの奴から情報を集めなくてもよくなった。仲間もここで働きゃいいさ。お金にはもう困らないんだからね。」



金髪の男は、母親に近づいて泣きながら良かった良かったと喜んでいる

後からきたアーサーの仲間も、皆涙ぐんでいた


「あんた達、店は任せたよ。私はここにいる必要はなくなったから、のんびり終活に出かけるよ」



子供の顔で渋い表情を作ると、人の多い通りへと徒歩で歩いて行った。








市場についた天久手達は、珍しい食べ物や装備品を見て回っていた。

山で収穫した桃を一つ売れるか試してみた

屋台の商人たちは誰もが真っ青になって引き取りを拒否した



皆、引き取りを断った後、無償で食べ物や道具を譲ってくれた。

立ち去る際には拝まれている。





「尾行されてます」

「えっ?そうなんですか」


桃が売れなかったため、一つをかぶりついて食べている天久手。

カバンにたくさん保存してあるので、歩きながら食べようとしたが、シンドウに止められベンチで座って食べている。


村に降りる前、山奥で枯れた桃の木を見つけた。

他の桃の木には美味しそうな桃が沢山実っていたが、

目立つ大きな桃の木だけは、変な蔓が絡みついて葉が一枚もなくなっていた


他の木に感染したら勿体ないと思い、その蔓を解析、

植物でなく呪いの類とわかり、道具を探している間に


クロが残らず食べてしまった。


その後元に戻したところあっという間に実がなり、

天久手たちは美味しそうな桃を収穫できたのだ









ベルヘムは魔物たちに襲われた住宅の修繕に費用がどの位かかるか・・憂鬱な気持ちのまま、窓を開けた


昨日鳥が壊したはずの屋根が元通りになっており、壁に激突した痕跡もなくなっている



そこかしこから火が出ていたはずが、街並みに焦げたところは見当たらない



目をこすり、二度見三度見するが襲われる前の平和な街並みがそこにはあった



急いで屋敷を出ようとすると、騎士の男が門前に来ていた



「見たか?!」

「ああ、早朝から兵総動員で確認させた。

結論から言えば、どこも壊れておらん。

タナトスバードに襲われる前に戻っている。

街随一の腕を持つ魔法師の家も全壊したが、朝綺麗に戻っていたそうだ」


「あー、お前の奥さんだな。またあの素晴らしい乳を拝める日が来ようとはな☆」

「ベルヘム、真面目な話をしている!まあ・・・・・良かったんだがな。」





心当たりがあるとすれば、先日現れた彼女達しか思い浮かばない。








「どうする、尾行無視するか?」

「敵意がないなら興味本意ですかね?服装地球の時のまんまですから。」


つなぎの作業着のままの天久手、真っ黒なスーツに

ほぼ黒いダークブルーのネクタイのシンドウ。



ファンタジーの世界に、異質な存在として浮きまくっている。



「尾行はひとまず置いといて、服装考えますか?何処へ行くにもこれだと目立ちすぎる。」

シンドウは、クロが頭に登ってきたので撫でながら頭皮への攻撃をさせないようガードしている


彼の家系はフサフサとツルツルに分かれていて、代ごとに偏る傾向がある。

そして彼の代は、




ツルツルである。



「ふっ、トリップ課に勤務するものとして、この運命から逃げ切ってみせる!」

といきなりいいだすシンドウをスルーして、天久手は

市場でもらった近辺の地図を眺めていた。
















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