チベット国3
楠木党の楠木正秀からチベットの調略が上手くいったので、そろそろ兵を進めて欲しいとの知らせが届いた。
義教は、すぐさま兵を率いてチベットへと向かった。
向かった先は、チベット中央のツァンであり、そこにタクパ・ジュンネ始め各チベットの有力な長が集まっていた。
義教の兵と北元からの兵は合流し、ツァンへと進んだ。
義教の兵も北元の兵も既に多国籍軍となっており、統制するのも一苦労であったが、日の本の兵が主体となり、兵を一つにしていた。
チベットの長達は、この兵達に恐れをなした。
義教は、ひとまず、タクパ・ジュンネと交渉することとした。
「チベットを治めるものよ。我らはそなた達を攻めに来たのではない。手を結びに来た。」
通詞を介して伝えられたタクパ・ジュンネは首を傾げた。
「では、何をしに兵を率いてきた。」
「我らは明国と対等な関係を持ち、一大同盟を結ぶのが目的である。その為には、明国の宗教の拠り所である貴国とも手を結びたい。」
「一大同盟?はて?それはどういうものかな?」
「対等な立場で交易し、我ら同盟を結びし国を脅かすものあらば、力を結んでこれを退ける。」
「なるほど、しかし、明国は周りの国々を蛮族と呼んでおる。」
「その考えを改めたい。従って国の中で争うはもはや時代遅れである。」
「我が国はいろんな宗派に分かれているが…」
「それも時代遅れ。仏を信仰することに、派閥争いをすることなどあってなることか!」
「なるほど、では別室にいる長達に同じ事を言ってみよ!そなたの命はないぞ。」
「吾は命を一度失いかけた。今は余生のようなもの。命などいくらでもくれてやる。」
義教は赤松満祐に殺されかけた時からの本音を初めて話した。
「それに吾を殺してみよ。外にいる兵達がなだれ込んでこようぞ。」
タクパ・ジュンネは、目の前の男が怖くなってきた。
「わかった。長達は吾も説得しよう。
一緒についてこい。」
タクパ・ジュンネと義教は、長達の元へと向かった。
説得すること一晩、長達は義教の命がけの想いと楠木党から事前の調略に押されて、明国との同盟に向けて一つとなった。
チベットを味方につけた義教は、そのまま明国へと侵攻を開始した。




