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悪御所奮戦記  作者: ヒデオ
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チベット国1

義教達が向かったチベット国はこの頃は、パクモドゥパ政権のリンプン家が治めていた。

この頃の長は7代目のタクパ・ジュンネであった。

パクモドゥパ政権は明との交渉を統制しようとはせず、明も、明に使者を派遣してくる諸侯や諸教団と冊封・朝貢関係を取り結ぶだけで満足している状況であった。

義教は考えていた。

『チベット国は仏教国とはいえ、いろいろな派に分かれており、長はいれども緩やかな繋がりな国だ。

かつての我が日の本にそっくりだ。

今から統一した国づくりをするのも時間がかかる。さてどうするか?』

義教は、日の本にいた頃の初心に戻っていた。

「楠木党を呼べ。」

楠木正秀以下、楠木党が義教の前にひざまづいた。

「よいか。これから向かうチベット国は、有力な領主がたくさんおる。

これらの動静を事前に探れ。

場合によっては、我が国の味方になるように調略せよ。

ただし、国が違う。

その国にとけこみ、その国の民となり、その国の考えがわかってから動くのだ。

言葉は、通詞から学んでから参るのだ。

また、チベット国の仏教も事前に頭に叩きこんで参るのだぞ。」

正秀は答えた。

「大御所様、ならばせめてひと月は準備をさせて下さりませ。」

「良かろう。頼むぞ。」


ひと月後、楠木党はチベット国に潜入すべく出発した。

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