交渉
伊達大膳大夫持宗、最上右京太夫義春、安東陸奥守盛季が、北元のフルンボイルを目指した。
途中で抵抗するものはなく、フルンボイルに到着した三名はすぐにタイスン・ハーンに会うことが出来た。
「かつて戦った日の本のものが、我がモンゴル族に何用ぞ。」
「ハーンよ。明と戦さをすると聞いたが誠でございますか?」
「誠だ。明は我らが治めていた地を追い出した憎き奴ら。」
「今は戦さをするよりも交易を行うが有利と思うがいかがかな?」
「交易?
奴らは交易と称して、朝貢せよという。
屈辱以外の何者でもない。」
「ハーンよ。日の本はあなた方が我らと戦った頃とは国の政が変わった。」
伊達持宗は日の本の政の仕組みを簡単に話して
次に北元に来た理由を伝えた。
「我らは、明と対等な交易を行う為、明の周りの国々と手を結ぼうとしている。すでに朝鮮国とは手を結び、南蛮の国と手を結ぼうとしている。あなた方とも手を結びたい。」
「対等の交易…
そんなことが出来るのか?」
「皆が手を結べば明に圧力をかけることが出来る。さすれば、戦さなどせずともよい。」
「そうか。
ならば一つ協力して欲しいことがある。」
「なんでござる。」
「この国はまだ分裂する危険性がある。
今は私の力で押さえているが、なんとか一つにするのに協力して欲しい。」
「わかった。ならば、分裂しそうな有力者を集めてくれ。」
「お安い御用だ。」
タイスン・ハーンが集めた各地の有力者の前で伊達持宗は、戦うより交易の利益を説いた。
有力者たちも戦いに飽きていた。
北元は一つにまとまり、明との対等の交易を行う為に動くことで意見を一つにした。




