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北元
伊達大膳大夫持宗、最上右京太夫義春、安東陸奥守盛季が、向かった前の北元は、モンゴル族が大分裂を起こし、あちこちでハーンを名乗るものが出ていた混乱期であった。
そのモンゴル族を一つにし、北元の大ハーンとなったのが、チンギス・ハーンの子孫であるトクトア・ブハ・タイスン・ハーンであった。
彼は統一した北元から失われた大元を取り戻そうと明への進行を行うとしていた。
そんな矢先に日の本から、使者が来るという知らせが届いた。
「偉大なるクビライ・ハーンが二度も遠征して失敗した日の本のものが今更なにゆえ我らに会いに来るのだ。」
タイスン・ハーンは警戒感を強めた。
「ハーンよ。日の本のものは、戦さではなく、明を抑える為の話し合いをしたいとのことでございます。」
「なに、明を抑えるだと!」
ハーンはしばらく考えた。
「よし、会おう。良いか、道中使者には手を出してはならんと皆に伝えよ。」
クビライの頃ならともかく、北元はまだまだタイスン・ハーンが統一したとは言え、国力は不安定なところがあり、ハーンとしても明を攻めるのに一抹の不安があったのであった。




