新しき…
西国が平定されて1年が過ぎた。義教は何度か鎌倉と都を往復しながら、来たるべき東北攻めの準備、東国、西国の土台づくり、更には島津を通して入ってくる異国の政の情報からこの日の本の政にどうするかを梶井義承、経覚らと協議する日々を過ごしていた。
「南蛮の国々では、王を頂点とした支配をしているようだが、我が国ではお上を頂点として、そこから政を委任された我ら武家が国を支配している。しかしながら、寺社や公家までは完全に支配していた訳ではない。
今後いかにするかだ。
吾は、武家の棟梁たる将軍が支配するがよいと思うてこれまで戦ってきたが、どうかな?」
「御所様が生きている間はそれは可能かもしれないですが、人による支配は限りがございます。」
「義承、ならば何とする?」
「法による支配が良いかと…」
「待たれよ。法にも抜け道がございます。
法は時代とともに変えて行かねばなりません。
この課題は我が国とて何度も繰り返しております。律令制を取りいれましたが、結局は、土地の所有を認めてしまいました。
また、武家が生まれたは、兵部省を事実上廃止したことにもあります。
他の国は、常に隣国から攻められる心配があるため、兵部省は常に維持せねばならないところですが、我が国は他の国から攻められても海に囲まれていた為に、侵される心配はほとんどござませんでした。」
「経覚、よう学んでいる。ならば兵部省は我が国に必要と見るか?」
「左様、御所様の考えいかん。海の外に出ないにしても国の守りをどう考えるかでしょうな。」
「あいわかった。
兵部の件、土地の所有の件、法の件、誰が支配をするかという件…まだまだ課題は山積みだな。」
「一つ一つを丁寧に考えていく心づもりでございます。」
「ならば、吾は残った東北をいかに平らげるかをまず考えねばなるまい。
国が一つにならねば、政も一つにはなるまいな。」
「御所様、お頼み申し上げます。」




