島津攻略始末3
「楠木殿、戦さを避けると申されたが、吾の聞き間違いでございましょうか?」
「いや確かにそう申し上げた。」
「正気でございまするか?我が家臣達は戦さ覚悟で備えておりますぞ。」
「陸奥守殿、正気でございます。話しだけでもお聞きください。」
「よし!聞こうではないか!」
「陸奥守殿には、琉球との交易が望みと聞いております。」
「左様、確か、御所様にも申し上げ、御所様も大層乗り気であった。」
「その交易を島津殿が一手に担っていただきたいと言ったらどうなさる。」
「何!御所様がそんなことをお許しになるはずがあろうはずが…
まさか…」
「そのまさかよ。都は琉球から遠すぎてな。
琉球に近い島津殿に交易の権利を与えるとのことです。
その変わりに交易品の一部と琉球から得られる異国の生業や政のやり方などを御所様に逐一、ご報告いただきたいとのこと。」
「うーむ、島津は交易の利を得て、御所様は異国のことを知るということか。
家臣達をそれで説得できるか…」
「聞けば、島津は民から得られる年貢が少なく、貧しき国と聞く。交易の利は喉から手が出るほど欲しいのでは?」
「肥後守殿、痛いところをついて来られる。
まあ良いわ。
家臣達を説得して見よう。」
「良い返事をお待ち申し上げてますぞ。」
使者は帰っていった。
それから2日後、島津家から御所方に使者が来て、御所方の申し入れを委細承知するとの知らせが届いた。
島津は戦さをせずに御所方に下り、西国はすべて平定されたのであった。




