四国攻め1
村上海賊を味方につけ、瀬戸内の海を手中にした義教軍は、四国攻めの準備を本格化させた。
まず、村上海賊が味方になったことを四国勢に知られないように、情報の管理を徹底させた。
四国からの間者は多数、紛れ込んでいるため、公の場では、村上海賊の対応に苦慮しているように見せかけていたのである。
四国勢は、村上海賊がどちらにも味方してない限り、義教勢の攻勢は無いと思いこむからである。
一方で、少数で密かに軍議を開き、四国への攻め口を検討していた。
「淡路島からの攻めは決まっている。後をどうするかだ。あまり兵を分けすぎても四国勢にやられてしまう。せいぜい、後、一ヶ所か二ヶ所というところだな。」
「村上勢をこちらにつけた上は、伊予の河野は水軍としては敵ではない。伊予からも攻めようではないか?」
「うん、それは良い。」
「やはり、淡路島から讃岐・阿波へと向かうのと、伊予から攻めて四国のものどもを土佐に追い込んでしまうが良かろう。」
「土佐に追い込むが良いが、伊予ですら、我らには地の利はないぞ。」
そこへ、楠木政秀が一枚の絵図を出した。
「これが伊予と土佐でございます。我ら楠木党はすでに四国に潜り込んで、調べ上げておりまする。」
「おー、これはなんと綿密な…」
「では、伊予攻め、土佐攻めの手筈を整えようではないか!」
その日は夜中まで軍議は続いた。




