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悪御所奮戦記  作者: ヒデオ
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海を抑えよ3

瀬戸内の海を支配する村上海賊は、村上源氏の流れと言われていたが、当時は3家に分かれていた。

能島村上氏は能島城(能島)、因島村上氏は長崎城と青木城は因島、来島村上氏は来島城(来島)を本拠として活動していた。

中でも最大規模の村上海賊は、能島村上氏であり、当時の当主は村上雅房であり、政房を抑えれば、他の2家も従うという程であった。


小早川備後守煕平は、楠木政秀と共に村上政房の元に出向いた。

「おう、備後、此度小早川家当主になったと聞く。まずはめでたいのー。で、その御仁は。」

「楠木党当主、政秀と申す。お見知りおきを。」

「そなたが噂の楠木正成の子孫か。陸の戦さでは、そなたたちが強いようたが、海ではどうかな?」

「今日は戦さの話しに来たのではございません。是非、我らに力添えをいただきたく参りました。」

「うん、我ら海の民に、陸の民の?」

「海の民も、陸の民もありますまい。この日の本は、帝、そして御所様の元に心一つとなるのが一番でごさいましょう。」

「はははは!いかにも楠木正成の子孫の言いそうなことだ。だがな、海の民は誰にも支配されん。我らの決めた掟に従って生きるのみだ。」

「まあ、待たれよ。

村上殿、御所様は、新しき政を始めようとしておられる。それには、海の民であるそなた達の力も必要とされておられる。」

「新しき政だと?

これまでのもの達はそう言って、我ら海の民から搾取ばかりしていった。だから、陸の民は信用出来ん。」

「まあ、聞け。新しき政とは、その地に住む者が、その地に住むことに誇りの持てる国作りだ。」

「ならば尋ねる。御所様は、我らの関銭を取るを禁ずると聞いた。ならば、我らの糧はなんとする。」

「異国との商いである。」

「それはこれまで公には認められていなかったが、認めるということか?」

「そう言う事だ。関銭を取るより稼ぎはでかいのであろう。」

「左様だな。して、認める代わりに何をすれば良い。」

「三つ、御所様の政を学ぶこと。商いの揚がりの内から税を納める事。四国攻め、九州攻めに兵をお借りしたい。」


政房はしばし、腕組みして考えていた。

「一つ聞く。税はどれだけ出せば良い?」

「10のうち4だ。陸の民と同じだ。」

「わかった。味方しよう。」


義教方はこの瞬間、瀬戸内の海ならず海の民を抑えることに成功した。

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