飛騨・信濃攻略6
信濃更級郡村上郷。
村上頼清の本拠地であり、館がある場所でもあった。
海野幸数は、数人の供回りを連れて村上頼清の元を訪れた。
「これは海野殿、関東で戦って以来だな。今日はいかなる御用かな?」
「村上殿、近頃の都の御所様のご様子いかがに思われる?」
「唐突に…
いや、実はな、その事でな関東から吾に味方せよとの書状が参ったところよ。近々、海野殿も誘おうと思っていたところ。
近頃の御所様の動き、どうも吾は好きになれん。新しき秩序を作るというが、この信濃は元々、守護を追い出したところに、新しく小笠原信濃守という守護を任じた御所様の言う事。つまりは古き政をなされるお方の言う事は信用できんと言う事だ。近々、越前の守護代であった朝倉孫右衛門尉がこの信濃を攻めるという話ではないか。海野殿、手を結んで孫右衛門尉を撃退せんか?」
「その必要はございません。朝倉孫右衛門尉、昨日、当方で生け捕りましてございます。」
「なんと!いかに!」
「当方を味方につけようと単身乗り込んで来ました故、味方する振りをし、酒宴に誘い、そのまんま生け捕りました。ついては村上殿と今後についてご相談を、是非当方の館にて。
なにせ生け捕ったとは相手は一廉のお方、簡単に逃げられては困る。
もちろん、吾が信用できんというなら兵を率いてこられても良い。」
「あいわかった。吾も噂に聞く朝倉孫右衛門尉に会ってみたい。兵の準備をする故に2日後に参る。」
「では、馳走の準備でも致そう。お待ちしてまする。」
村上家では、その夜、罠ではないかと止める家臣もいたが、兵を率いて行くことから、いざとなれば、戦えるという安心感から、反対意見も少なく、むしろ関東への味方として海野家を取り入れておきたいと言う意見が強く出た。
2日後、村上頼清は海野家の本拠地に向かって行った。




