飛騨・信濃攻略3
尼子清定からの知らせで都にいる経覚は、昭運寺説得の文を書き、清定に送った。
その文の到着と同時に清定は動いた。
昭運寺の三島将監の元に尼子清定と三木正頼が出向いた。
「殿、申し上げます。尼子刑部少輔様と三木右京進様、都の経覚様の使いと称して参られました。」
「なに?経覚様…」
三島将監は元々、昭運寺の僧侶であり、還俗した身であった故に経覚と聞くと緊張感が走ったのである。
「経覚様の使いでは追い返せぬな。よし、通せ。」
しばし後、三人は対面した。
尼子清定と三木正頼は黙って文を差し出した。
読み進めて行く内に将監は、ポロポロ涙した。
「経覚様、この飛騨の片隅の寺の事まで良くご存知だ。しかも修行の者を世話してくれるという。」
「将監殿、お手前は政を学ばれたいか仏道を学ばれたいか?」
「迷うておる。寺を守る為に還俗したが、元々は仏道を極めんとした。」
「ならば、寺は我らが守る。お手前は都で仏道に励むが良かろう。」
「分かりました。寺はお手前方に守って頂く。僧侶達を頼む。」
「それともう一つだけ頼みがある。内ヶ島為氏が、そなたと親しいと聞く、説得出来ぬか?」
「そのようなことか。お安い御用だ。」
次の日に内ヶ島為氏が昭運寺にやってきた。
「内ヶ島殿、此度、御所様が…」
「御二方とも皆まで言われなくても分かっております。飛騨の民の為、御助力致しまする。」
こうして、ひと月余りで尼子、三木は飛騨の三分の二を平定した。




