飛騨・信濃攻略2
飛騨は、三木城。城と言っても砦に毛が生えた程度のものであるが、自然の要害を巧みに防御としており、難攻の城であった。
三木右京進正頼が朝餉を取り終わった頃であった。
「お屋形様、申し上げます。尼子刑部少輔様が城に参られました。」
「なに?刑部少輔が?」
尼子刑部少輔清定と三木右京進正頼は、京極家被官として何度か都で会った仲である。
「同じ主に使えた仲では無碍に追い返せぬな。よし、客間に通せ。」
客間というても粗末な造りであったが、飛騨の城ではそれなりのものであった。
四半刻後、二人は対面した。
「刑部少輔、都であって以来かな?」
「右京進、顔が見たくなって訪ねた。」
「嘘つけ。こんな飛騨の山奥でも都の事は伝わる。御所様のことか?」
「わかっていたか。ならば話は早い。右京進、御主、こちらにつかんか?」
「楠木とやらの文は読んだ。あれは誠か?」
「あー、もはやこんな狭い土地で踏ん反りかえっている時代は終わりだ。御主も日の本の政に参じぬか?」
「それは…」
「どうした?怖じ気づいたか?」
「いや、我は良い。御主は信用できる。
家臣も説得できる。問題は、他の国人領主達だ。特に姉小路の残党はしぶとい。
これを如何にするかだ?
奴らは説得には応じまい。戦うとなると少々厄介だ。」
「まず調略出来そうなものと出来ないものを選んでくれ。調略出来るものを先に落とそう。」
「昭運寺の三島将監なら経覚殿の説得でなんとか落とせるかもしれん。
それと内ヶ島為氏当たりだな。
江馬、姉小路は調略では落ちん。」
「あいわかった。すまんが、右京進の主要な家臣を集めてくれ。飛騨平定について軍議を開きたい。」
その日、尼子刑部少輔清定と三木右京進正頼を中心に飛騨平定の軍議が夜半過ぎまで行われた。
三木家の家臣は、飛騨平定に納得し、義教の方策に従うことになった。




