海をいかに渡るか2
三好式部少輔長之と遊佐河内守国助が、楠木党の使者の控えてる場に向かうと二人の男が控えていた。
一人が言う。「良い知らせでございます。」
もう一人が言う。「悪い知らせでございます。」
式部少輔と河内守は顔を見合わせ、無言でうなづいた。
式部少輔が答えた。
「悪い知らせから聞こう。」
「しからば、四国でございますが、阿波以外は、御所様に対抗すべく国人衆がまとまりました模様。
伊予の河野、讃岐の香川、土佐の本山、吉良、安芸、津野、香宗我部、大平、長曾我部らでございます。」
「なに!伊予の河野もか!奴らの水軍衆を期待していたんだが…」
式部少輔は絶句した。
河内守がすかさず聞く。
「良い知らせとは。」
「はっ!大内配下の内、沼田小早川当主、小早川備後守煕平が、こちらにお味方するとの事。」
「うん?竹原小早川の方ではないのか?
確か御所様は竹原小早川当主、安芸守(守景)を小早川家当主に推していたと聞く。」
「沼田、竹原ともにこちらにつくとのこと。
どうも、大内家の家督争いに嫌気がさしたようで、御所様の誘いに備後守を当主として加わりたいとのことでございます。その他の水軍衆も調略中との事でございます。」
「あいわかった。二人共下がって休むが良い。」
二人が下がった後、式部少輔と河内守は相談した。
「四国が阿波以外が固まったとなると難儀だな。河野以外の水軍衆がこちらについたとしてもだ…」
「これは一度、御所様にお知らせせねば。」
二人は状況を取り急ぎ義教に知らせた。
義教から、返事が来た。
『山陰・山陽攻めの後詰めをしながら四国攻めの準備をせよ。
阿波と伊予から、四国を攻められるようになったら海を渡れ。』
式部少輔と河内守は義教の答えに納得し、阿波に渡る兵を残し、河内から播磨へと向かった。




