播磨進軍2
播磨国にある噂が流れ出していた。
「赤松次郎法師丸様を浦上殿が傀儡とせん。」
別所、小寺の国衆達の耳にも届いたが、最初は相手にしてなかった。しかし、何度もその噂が聞こえて来るにつれて国衆達に同様が広がってきた。
佐用城の浦上信濃守則永は、噂を聞いて、
「ほっておけ、吾は次郎法師丸様の養育で手一杯だ。」
と一笑に付したが、
三木城の別所信濃守祐則や御着城の小寺加賀守職治は疑心暗鬼に捕らわれてきた。
播磨国は浦上氏以外は赤松氏の同族、別所、小寺氏の元にまとまっていたのであったので、疑心暗鬼に捕らわれた別所信濃守と小寺加賀守は、他の国人衆に声を掛けて、三木城に集まることになった。
その知らせは楠木党を通じて毛利備中守、吉川駿河守の元に届けられた。
「右京進殿、播磨は真っ二つに割れましたな。」
「元々、赤松家の同族で固めていた地でございます。浦上のような新参者には生きにくいところではあったかもしれないですね。次は如何に?我らはどちらに?」
「右京進殿は、播磨攻めはいささか気が重うございましょう。」
「はあ、やはり、衰えたとはいえ、同族がおりますからな。これからは如何に。」
「では、同族の方々には我らの元に呼んでいただきましょう。
その上で次の一手でございます。
また噂を流しまする。次は楠木党のみで行うことにします。
「備前守殿、もしや、我らは高みの見物を…」
「まあ、お二人とも、しばらく戦さはございませぬ。おくつろぎください。」
毛利備前守は不敵に笑った。




