美濃・そして尾張へ3
久長を中心とした軍議が始まった。
「朝倉勢、越前にて斯波武衛家を討ち取ったとのこと。これで、尾張も武衛家の支配から外れ申した。良信からも尾張は、既に国人衆が御所様につくことを約定したとの知らせは受けております。」
「大和守殿、では尾張は、手に入れたということでございまするか?」
刑部少輔清定が尋ねた。
「いかにも。しかもこれで近江と尾張から美濃を挟み打ちが出来まする。」
「なるほど、美濃の国衆も動きやすくなるしな。では早速、国衆達に使者を出しましょう。」
「ては、5日後に総攻撃としましょう。既に尾張には知らせを走らせました。」
5日後、美濃国、守護館。
土岐左馬助康行は、夜明けの喚声に目を覚ました。
「何事か!」
「お屋形様に申し上げます。屋形が囲まれております。」
「斎藤帯刀左衛門尉か?」
「はっ!但し、それだけではありません。近江、尾張の国衆、そ、それに…」
「それになんじゃ?」
「織田大和守、尼子刑部少輔清定という御所様の直臣が…」
「国衆に、近江、尾張の国衆と御所様の直臣だと。では、この美濃に吾に味方するのは、土岐一族だけか?」
「お屋形様、既に、屋形の大半は抑えられました。ご一門の方々もことごとくお討ち死に。」
「えーい!油断したわ。もはやこれまで、しかし、このまま自害するのもカンに触るわ。槍を持て。」
康行は槍を持って暴れ回ったが、衆寡敵せず、たちまち追い詰められて行く。
「やめだやめだ。御所様がこれだけ用意周到なことをされるお方とは思わなんだ。
潔く負けを認めよう。」
その頃になると、守護館は火に包まれていた。
康行は、自害して果てた。
尾張・東海遠征軍は、美濃で戦さをしただけで一気に尾張までを手中にしたのであった。




