叡山
参内の終わった義教は、室町の花の御所へと戻って来た。
花の御所は焼けずに残っていた。
梶井義承が出迎えた。
「御所様、いかが相成りました?」
「こちらの思惑通りだ。公家達はこちらの言いなりになった。寺社も逆らう者は打って良いとのことだ。義承、寺社はどうだ。」
「やはり、叡山と南都、大和興福寺は手強いですな。武家は武家、寺社は寺社と言い張っておりまする。高野山や熊野はまだ何の音沙汰もありませんが…」
「では、一度、痛い目に合わせたが、もう一度叡山から叩くとしよう。仏の教えは否定しないが、武を持って逆らう者は容赦しないと見せしめるのだ。
前は守護大名達に止められたが今度は、止める者はない。明日には叡山を囲む。」
義教の行動は素早かった。
次の日には帝の名の下に一万の兵が叡山を囲み、武装した僧の追放や女人や子供たちの追放を叡山に迫った。
義教の本気を知った叡山の座主以下の高僧は、要求を受け入れた。
武装した僧が叡山を出ようとした時であった。
「それ、皆、取り囲め。」
義教の兵達が僧達を囲んだ。
「ま、待ってくれ!俺たちはそちらの言う通り山を降りた。これ以上何をする。」
「お前たち、ここを出てもどこかの寺に潜り込み気だろう。ならば、我らが雇ってやる。還俗して兵にならんか?
それとも、ここで命を落とすか?」
「わ、わかった。還俗して兵となる。」
こうして、義教は兵を増やすことに成功した。




