東アジア同盟なる1
義教が日本を旅立ってから1年半の間に明国まで含めた結びつきがなった知らせが日の本にもたらされた。
「さすがに大御所様だ。我らは足元にも及ばん。」
そう唸ったのは、今、日の本を治めている朝倉教景や梶井義承、経覚達である。
「近々、他国のもの達全てをこの御所に集めて、結びつきの約定を決めるそうだ。」
「明国もか?」
「当たり前だ。その他多くの国のものが集まる。代表と通詞だけでは家臣も連れてくるからな。宿の手配をせねばならない。
後は宗派によって食べられないものがあるという。
饗応役は経覚、そなただ。」
「日の本のことで手一杯なのに、大御所様も人使いが荒いのぉ」
「それだけではないぞ。この孝景に結びつきの盟主となれというてきた。自分はまた海の外に出るからだと。」
「いったいどこまで行かれる気だ。
こういうのもなんだが、そんなにお若くないのだがな。」
「今度は若子様もお望みなら連れて行かれるそうな。」
「元服された若子様(義勝)か…ご本人のご意向は?」
「ついていくそうだ。」
「さすがに大御所様の血を受け継いだお方だけのことはある。吾など見知らぬ異国の地に行くのも気がひけるがな。ところで大御所様はいつこちらへ?」
「すでに博多につかれたとの知らせが届いている。そのまま船で堺へ向かわれたとのことゆえ、後2日後ではないか。」
「それを早く言え。お迎えの支度をせねばなるまい。」
その時であった。
「経覚、相変わらず大袈裟だのぉ」
皆が振り向くと立っていたのは、義教であった。
「余はこの国では、隠居の身だぞ。
そのように堅苦しいことはせんでよろしい。」
「大御所様、お久しぶりでございます。
お元気そうでなにより。」
「皆、元気そうだ。日の本は平穏であるし、政はうまく行っているようだな。」
「はい、朝倉様が、上手くやっております。」
「孝景、政は人次第。そこを忘れず上手くやっているようでなによりだ。」
「大御所様にお褒め頂き、光栄でございます。」
「うむ。それから、これから明国を始めいろいろな国のものが来る。粗相のないようにな。」
「かしこまりまして候。」




