100/104
明国2
正統帝は、武官の石亨と宦官の曹吉祥を政の中心に据えていたが、周辺の国々が手を結んで明国へ迫ってくる事態に焦りを感じていた。
「蛮族達が手を組み、我が漢民族を攻めてくるというがいかなることか?」
一度、オイライトの捕虜となった正統帝は警戒心を高めていた。
曹吉祥は皇帝を安心させるかのように奏上した。
「オイライトには油断しましたが、なんの我ら漢民族は世界の中心にいるもの。隣にいる石亨殿が撃退してくれることでしょう。」
石亨は答えた。
「お任せください。」
「聞けば此度は、東夷の日の本が中心になっていると聞くが、狙いは我が明国の領土か?
モンゴル民族もチベットも南蛮も味方につけたと聞く。」
「では、国境へ兵を集めまする。」
その時であった。
「皇帝陛下に申し上げます。チベットから日の本を中心とした兵がこの北京へ向かっております。
既に日の本の使者が北京に到着し、日の本の代表が皇帝陛下に謁見を求めているとのことでございます。」
「なに!早すぎる。
朕は如何にすれば良い。」
石亨も曹吉祥も打つ手なしという顔であった。
「二人とも頼りにならんのー
仕方ない。日の本の代表に会わずばなるまい。
使者にそう伝えよ。」
皇帝は半ば諦めたように答えた。




