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-10.4-17 時間17

「故郷に戻っても良いのよ?」


「「「ははぁー……」」」


「家族に会いに行ってもいいんだからね?」


「「「ははぁー……」」」


「……父親じゃない方の親は?」


「「「ははぁー……」」」


「……貴方たち、私の話、聞いてないでしょ?」


「「「ははぁー……」」」


「……レオ?私、心が折れたから、あとは任せるわ」


「はい?」


 話を聞いてくれない(?)人々を前にして、心が折れたと口にするワルツ。それから彼女は妹と共に、すぅーっと姿を消して、その場から静かに立ち去っていった。


「……彼らに何と言えば良いのでしょう?」


 急に話を振られたものの、人々にどんな話をすれば良いのか分からず、首を傾げるメイド勇者。

 そんな彼に対し、幼馴染みのリアが、ボソッとこう口にする。


「……隷属の……契約について?」


「いえ、それは無いですよ?リア。彼らを奴隷にしたところで、元の時代に戻らなければならない私たちには、何の得もありませんから」


「なら……殺処分について?」


「リア……」


 もう少しまともなことは言えないのか……。などとメイド勇者が思ったかどうかは定かでないが、彼は小さく溜息を吐いた。

 すると今度は、賢者が口を開く。


「現状の説明だけで良いのではないか?」


「えぇ、私もそう思います。ところで、ニコル」


「……レオ。お前が私に何を聞かんとしているかは分かる。だがな?私も現状なんて知らないぞ?」


「……だから困っているのですよ。なんと説明して良いものか、とね……」


 そう言って空を見上げるメイド勇者レオナルド。そこにはリアが作り出した黒い曇天が広がっていて……。まるでレオナルドの心の内を映し出しているかのようだった。



 一方、その場を離れたワルツたちは、というと——


「さぁ、戻ってアイテムボックスを埋めて、ついでにエネルギアを連れてくるわよ?ルシア」


「うん……でも良いの?ここに勇者さん……えっと、レオ()()()()()たちのことを置いていっても……」


「まぁ、ここには勇者が2人もいて、その上、強い魔法が使えるリアもいることだし、なんとかなるでしょ?きっと」


「……もう1人忘れてない?」


「んー、誰だったっけ?ま、些細な事よ。うん」


 頭の中に、むっつりフェイス(?)を浮かべる男性の顔がぼんやりと浮かんできたものの、それ以上、考えないことにした様子のワルツ。そんな彼女の頭の中のリソースは、どこにアイテムボックスを埋めれば良いか、という問題でいっぱいだったようである。


 そしてワルツは空へと浮かび上がった後で……。隣を飛んでいた妹に対し、こんな質問を投げかけた。


「ほんとさー、どこに埋めれば良いと思う?アイテムボックス」


「ドワーフさんたちの村に埋めるんじゃなかったの?」


「えぇ、そのつもりなんだけど……あるのかしら?ドワーフの村……。気配、無かったんだけど……」


「お姉ちゃん、気配を探してたの?」


「えぇ、一応ね。森の中を歩いていて、変な魔物とか、盗賊とかに、襲われないとも言い切れなかったし……(間違っても、エンデルスを死なせるわけにはいかないから……)」


「じゃぁ、あの"精霊"さんが出てくるのも分かってたの?」


「あー、あれね。あれ生き物じゃないから、反応しなかったみたい」


「ふーん、そっかぁ……」


「私のセンサー、万能じゃないからねー。で、最初の質問に戻るんだけど、アイテムボックス、どこに埋めれば良いと思う?ドワーフの村に埋めて、掘り起こされないかしら?ドワーフって言ったら……お酒を飲むか、鍛冶をするか、穴を掘るくらいしかやることのない種族よね?アイテムボックスを埋めたら、速攻で掘り返されるような気がするのよ……今更だけど……」


「んー……とりあえずは、ドワーフさんたちの村に行ってみて、安全に埋められそうか考えるのが一番良いんじゃないかなぁ?それがダメだったら……」


「ダメだったら?」


「……山の天辺?」


「……山の天辺っていっても、あの辺、山脈だらけだからね……。何か分かりやすい目印のある天辺があればいいんだけど……っていうか今、シルビアたちのいる時代って冬だから、山脈の天辺に埋めたら、掘り起こせなくなるんじゃないかしら?」


 そして、うーん、と唸るワルツとルシア。


 そんな中、再び、ルシアが声を上げる。


「……あっ!」


「何?何か思いついた?」


「山、作ろっか?」


「……ねぇ、ルシア。最近の貴女の思考、なんかすごく大胆じゃないかしら?」


「そっかなぁ?いつもこんな感じだと思うけど……(多分、お姉ちゃんの影響じゃないかなぁ?)」


「良いアイディアだから、悪いとは言わないけど……町を作ろうとか、山を作ろうとか……」


「えっ……」


「えっ?私、なんか変なこと言ったかしら?」


「う、ううん……。お姉ちゃんがそう言うなら……」


「ま、まぁ……いいけどね?」


 お互いに(わだかま)りのようなものを残しつつ、弾道軌道を描いて大陸を北上する姉妹たち。


 その後、とある地方にあるドワーフの隠れ里に、地理的には出来得ないはずの小高い山が、たった数分の内に出来上がるのだが……。結局、そこにアイテムボックスが埋められる事はなかったようである。



……妾らしさとは何か。

そのきっかけを見つけた、ような気がするこの1年だったのじゃ。

文の書き方についてはこれ以上大きく変わらぬと思うゆえ、来年はプロットの本格導入かのう……。

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