11話
いよいよウォルシードが視察から帰って来る日になった。
ユーフェミアは朝からそわそわして落ち着きがなかった。だいぶんハンカチを渡して以来なので、どんな風に会えばいいのか、恥ずかしい気持ちと好きになって初めて思いが膨れ上がって分からなくなっていた。
そうしているうちに夕方になった。なかなか帰って来ないウォルシードを気にしていた時、ディードから声を掛けられた。
「奥様…、旦那様から先程連絡がございまして、本日は帰りが遅くなるとの事です。」
「そう…分かったわ。」
ユーフェミアはウォルシードの帰りが遅くなると言われて少し悲しげな顔になった。
「奥様…本日は帰りが遅くなりますが、明日一日は仕事がお休みです。」
「えっ!!そうですか。」
ディードは微笑みながら、「折角なので、何処かへ出掛けられたらいかがでしょうか?」
「でも…」
ユーフェミアは急に聞かれて迷惑ではないのかしら?それに疲れているしと色々悩んでいた。
するとディードは「私の方から伝えて起きましょうか?」
「いいえ…私から伝えるわ!ウォルシード様が帰って来られたら教えてちょうだい。」
「はい、かしこまりました。」ディードはお辞儀をしてその場から去って行った。
ユーフェミアは最近になってやっとアゼル家の人達に慣れてきた。最初嫁いだ時は冷たい対応だったが今ではディードは勿論みんながユーフェミアに優しく接してくれる。ユーフェミアも無表情から少し柔らかい表現になっていた。
ユーフェミアは夕食の後、自分の部屋のテーブルで本を読みながらウォルシードの帰りを待っていた。今日こそは起きてちゃんと話がしたいと思っていた。
しかし…頑張って起きていたユーフェミアだったがウォルシードがなかなか帰って来ないのでとうとう睡魔には勝てずそのまま眠ってしまった。




