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第5話、草原蝶と商店街

 次の日、ミミは討伐クエストを受けて草原へ向かう。

 目標は草原蝶だ。主に花畑のエリアに生息しているらしい。


「花畑に蝶か……RPGって殺伐としたイメージがあったけど結構メルヘンなんだね」


 受付から貰った地図を頼りに進んでいくとカラフルな地面が目に入る。


「もしかしてこの辺りかな?」


 近づいてみると、一面の花畑だった。


「おお〜!」

 

 色とりどりの花が咲き乱れ、地面にマーブル模様を作り出している。

 虹をインクにして地面に垂らしたかのような光景にミミは興奮を抑えきれない。


「いい光景〜!グラデーションになってるのは初めて見た!」


 ミミは様々な角度から花畑をスクリーンショットに収めた。


 

 花畑を一通り楽しんだミミは花の蜜を吸っている蝶に近づいていく。

 蝶の大きさは30センチほど。

 かわいらしくデフォルメされているので虫嫌いでもなんとかなりそうなデザインだ。

 蝶もミミに気がついたのか、ひらひらと飛んで近づいてきた。

 ミミが腕を差し出すと、蝶はそこに止まる。


「……ちょっと大きいな……。でも、体に止まってくれるのはいいね」


 ミミは蝶を花に近づけてみる。すると蝶は口を伸ばして蜜を吸い始めた。


 

 気が済むまで蝶を観察したミミは討伐へと移る。


「かわいそうだけど、クエストだから……ムーンジャンプ!」


 ミミは上空へ向けて大ジャンプ。

 空中でハンマーを振りかぶる。


「そんなあ!」

 

 しかし、1つ誤算が発生した。蝶は動くのだ。

 ミミが滞空している間に、蝶は攻撃範囲から大きく離れていった。


「軌道は変えられないし、普通に着地するしかないか……」

 

 ミミは完璧な態勢で着地したが、足にしびれが走る。

 視界の端を見ると、HPゲージが2割ほど削れていた。


「もしかして、自分のジャンプでダメージを受けるの!?」


 試しにもう一度ムーンジャンプを使って、こんどは控えめにジャンプしてみる。

 今回もしびれとダメージがミミを襲ったが、先ほどよりは軽減されている。


「うーん、ジャンプ力が高すぎるのも問題かあ。

 全力ジャンプは絶対当たる時だけにしたほうが良いかも」


 その後は何度かジャンプを練習し、ダメージを受けない高さぴったりに跳べるようになるまで練習した。

 蝶に避けられる問題は、ムーンジャンプのかわりに初期スキルのスタンプを使うことで解決した。


 

 蝶を倒していくと、視界の端にアイコンが表示される。

 装備入手のサインだ。


「どんな装備なんだろう?」

 

 確認してみると新しい装飾品を手に入れていた。


 装飾品「花のミサンガ」

 魔法防御+5

 HPがほんの少しずつ回復し続ける

 花畑にいるとき、効果が倍増する


「回復する装備か〜。ダメージ受けてたしちょうどいいかも」


 ミミは花のミサンガを装備した。


 そのまま蝶を狩り続け、街に帰還する頃にはHPは最大値まで回復していた。


 

 クエスト報酬を受け取ったミミは、NPCの商店街を見て回る。

 

「どんなものが置いてあるかな〜」

 

 特に買いたいものはないが、どんなアイテムがあるのか知っておくことは将来的に役立つだろう。

 NPC相手なら、冷やかしでもトラブルになることはない。

 店には初心者用装備、各種ポーション、その他生産用の素材などが売っていた。

 商店街最後の店を出ようとするミミに、NPCの老店主から声が掛かる。

 

「お嬢ちゃん、いろんな店を見ていたようだが、気になったものはあったかい?」


「えっと……実は、今日はどんな商品があるか確認しに来ただけなんです。

 今度はちゃんと買いに来るので……」


 ミミは急に話しかけられた驚きで若干答えに詰まってしまう。


「その装備を見ればわかる。新人冒険者だから金がないんだろう」


「実はそうなんです……」


「じゃあ、うちでバイトでもしていかないか?

 最近、注文が溜まってしまってな」


 目の前にクエスト受注用のウィンドウが現れる。


 クエスト:商店街の手伝い

 目標:荷物を目的の人物に届ける

 報酬:商店街で使用できる割引券、その他


「割引券はいつでも使えるから無駄にならなさそう。受けてみようかな」


 ミミはクエストを受注した。


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