第4話、草原羊
「スライムの駆除、ありがとうございました。
討伐系クエストを受けたくなったらまたギルド会館にいらしてください」
ミミとマキナはギルド会館でクエスト達成を報告する。報酬はそれぞれ600ゴールドだ。
クエスト説明には500ゴールドとあったが、「初級冒険者」の効果で上乗せされたようだ。
「やった!初めて自分で稼いだお金だよ!」
「やっぱりどんなゲームでも初めてのクエストは新鮮だよね」
マキナは喜ぶミミの姿を見て感慨深そうに頷く。
「このお金はどうしよう?回復薬とか買ったほうがいいかな?」
「まだダメージも受けてないし、回復アイテムはいいかな。
装備とかも揃えなきゃだし」
「装備かあ。やっぱりかっこいいのがいいよね」
ミミはそう言いながら装備画面を開く。
装備
右手「はじまりのハンマー」
左手「(両手持ち)」
頭「なし」
体「はじまりの服」
腕「なし」
腰「はじまりの服」
足「はじまりの靴」
装飾1「なし」
装飾2「なし」
「うーん、見事に初期装備って感じのラインナップだな〜」
「最初はそんなもんだよ。
あ、でもモンスターが装備を落とすかもしれないから、装備を買うのも後にしよう」
「それなら……まずは狩りだね」
「そうだね。ついでに討伐クエストでも受けて行こう」
ミミたちは草原ヒツジのクエストを受け、草原へと向かった。
草原を先ほどよりも奥に進んでいくとヒツジの群れが見えた。
地面で寝たり、草を食べたりしているようだ。
「いい感じにデフォルメされてるね。結構かわいいじゃん……ミミ、どうしたの!?」
「おお!本当にヒツジだー!」
ミミは声と同時にヒツジに駆け寄る。
武器を放り出すと、勢いのままヒツジに抱きついた。
攻撃判定は発生しなかったようで、ヒツジは少し迷惑そうにしているだけだ。
「うおー!もこもこだぁ!質感すごーい!」
「ずるい!私もやるー!」
それを見たマキナも真似してヒツジを抱きしめる。
「確かにウールの感触がする!作った人頑張ったんだね〜」
2人はひとしきりウールの感触を確かめた。
その後、寝ているヒツジを枕にして、並んで横になる。
「マキナ、このゲームに誘ってくれてありがとう。
最初は暇つぶしになれば良いかなって思ってたけど、やってみたらすごく楽しいね」
「そう言ってくれると嬉しい。
私も今までは1人で遊んでたから、誰かとプレイするのがこんなに楽しいって知らなかったよ」
「じゃあ、これからも一緒に遊んでくれる?」
「もちろん。私からもお願いするよ」
それから2人は寝転がりながらゲームについて様々なことを話した。
その中で1つのスキルを取得する。
「寝てるだけでスキルが手に入るなんて面白いね〜」
パッシブスキル「和の心」
モンスターと敵対しにくくなる
取得条件:敵対していないモンスターに累計30分以上触れる
「ミミ、ファイト!」
「無理〜!可哀想だよ〜!」
ミミたちが受けたクエストはヒツジの討伐だ。
クリアするためにはもちろん倒さなければならない。
ヒツジに感情移入してしまったミミはしばらくの間、ヒツジを攻撃することができなかった。
「草原ヒツジの討伐、ありがとうございます」
結局ミミはヒツジをその手にかけてしまった。
死んだような目で報酬を受け取るミミをマキナが慰める。
「まあ、モンスターだから倒してもまた新しいのが出てくるって」
「そうだね……」
いい慰めの言葉が思いつかないマキナは、逃げるように話題を切り替える。
「そうだ、時間も遅くなってきたし、次に遊ぶ日を決めておこうか」
その言葉を聞いたミミは時間を確認する。
時計はもうすぐ寝なければならない時刻を指していた。
「私はいつでも大丈夫」
「こっちは明日予定があるから、明後日にしよう」
「分かった。また明後日ね」
こうしてミミとマキナはゲーム初日を終了した。
ミミの装備スキル
アクティブ
「スタンプ」
「ムーンジャンプ」
パッシブ
「空中攻撃マスター」
「先制の一撃」
「初級冒険者」
「和の心」




