第33話、決闘と報酬
「HPが0になって、演習場の外にはじき出された時点で脱落だ。
もちろん、最後まで立っていた陣営の勝利とする。
それでは……決闘開始!」
その掛け声とともに三つ巴の決闘が始まった。
ミミとアンバーは魔法攻撃陣営へ、マキナは物理攻撃陣営へと向かっていった。
事前に立てた作戦は簡単だ。
マキナが時間を稼いでいる間に、ミミとアンバーで片方ずつ倒していく。
先に魔法攻撃陣営を叩くのは、後ろから遠距離攻撃を受けないようにするためだ。
「変身!ムーンジャンプ!」
ミミはスキルを使い、魔法使いたちの頭上へ飛び上がった。
魔法使いたちはミミを見上げようとするが、それをアンバーが許さない。
「こっちだ!」
周囲を走り回りながら、槍で牽制を繰り出す。
「完全によそ見をしていたら致命打を与えようと思ったが、そこまで甘くないようだな」
魔法使いたちは1か所に固まる陣形を取った。
1人がミミに魔法を放ち、残る2人がその魔法使いを守るように魔法でアンバーを遠ざける陣形だ。
「だが、固まってくれるのは都合がいい」
そう言うや否や魔法使いの1人が倒れ、周囲に電撃が走った。ミミの攻撃だ。
電撃に巻き込まれた2人の魔法使いはダメージを受け、体勢を崩す。
アンバーはその隙を逃さなかった。素早く槍を薙ぎ払い、2人にとどめを刺した。
「アンバーさん、ナイスとどめ!」
「ミミもいい攻撃だったぞ。早くマキナの援護に入ろう」
2人はマキナの方へ走り出した。
ミミとアンバーがマキナへと近づく。
マキナは3人の戦士に囲まれていた。
戦士たちはリジェネサークルによるダメージゾーンに入ってはいるが、マキナが劣勢のように見える。
「マキナ、今援護するよ!」
「大丈夫、見てて!」
その言葉を聞いてよく観察してみると、3人の戦士の体には状態異常を示すエフェクトが表示されていた。
動きも非常に遅く、マキナ1人でもまとめてさばききれそうなほどだった。
実際にマキナは戦士の攻撃を見事にいなし続けた。
「事前に聞いてはいたが、特殊な戦い方をするんだな。
ダメージゾーンで自傷しながら戦うなど、普通は思いつかない」
「リベンジタッチ!」
そしてリベンジタッチで戦士たちにとどめを刺し、決闘は終了した。
「見事、決闘に勝利したな。
これからは君たちの言う通り、物理も魔法もバランスよく教えていくことにしよう」
「分かってくれたみたいで良かったよ」
「決闘はちょっとやりすぎだった気もするけどね」
「時には乱暴な手段が必要になることもあるものだ」
「争いに終止符を打ってくれた礼に、これを受け取ってくれ。
君たちの理想に近いスキルを選んだつもりだ」
ミミたちは差し出されたスキルの巻物を1つずつ受け取った。
ミミは早速スキルの巻物を使用した。
アクティブスキル「魔力付与」
3分間、武器による攻撃が命中したとき、一定値だけ魔法攻撃属性の追加ダメージを与える
消費MP:500
取得条件:対応したスキルの巻物を使用する
「魔力付与か〜。地味だけど確実に効果がありそうだね」
ミミは2人にスキルの情報を共有した。
「武器攻撃に追加ダメージか……。
私の攻撃力はマイナスだから意味ないかな。
これはクランのキャビネットにでもしまっておこう」
「時間で強化だから、私のビルドとは相性が良さそうだ。
一定値の追加ダメージだから、手数の多い武器のほうが効果を発揮しやすそうだな。
私は自分で使おう」
マキナは魔力付与の巻物をしまい、アンバーはその場で使用した。
「……そろそろいい時間だな。私はこれでログアウトしよう。
改めて、クラン加入と今日の冒険に誘ってくれてありがとう。
仮加入とはいえ、このクランに所属している間は、ふさわしい冒険者になれるよう努力するつもりだ。
「アンバー、こちらこそ、加入してくれてありがとう」
「同じクランのメンバー同士、ほどほどに頑張っていこう」
アンバーはログアウトし、ミミとマキナもそれに続いた。




