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第23話、マキナの試験

 ミミが草原のボスと戦っている間、マキナも自分の冒険を楽しんでいた。

 今日はギルドで依頼を受けているようだ。

 

「受付さん、クエスト完了しました」


「ありがとうございます。こちら報酬です。

 マキナさん、少しお話をよろしいですか?」


 報酬を受け取って立ち去ろうとしたマキナを、受付が呼びとめた。

 

「どうしたんだろ。やましいことはしてないし……

 もしかして何かのイベントかな?

 その話、聞かせてください」


 マキナの返答を聞いた受付は話し始めた。



「マキナさんのこれまでのクエスト達成状況を踏まえ、中級冒険者にふさわしいと判断しました。

 そこで、認定クエストを受けていただきたいのですが、いかがでしょうか?」


 クエスト:中級冒険者認定試験

 目標:クエストアイテムを回収し、持ち帰る

 報酬:スキルの巻物、装備品


「報酬が2種類もあるなんて豪華だね。

 受けない選択肢はないでしょ」


 マキナはクエストを受諾した。


「では、詳細を説明しますね。

 試験の場所は草原の先にある森です。

 そこに、認定試験に必要なアイテムがあります。

 地図を頼りに回収して戻ってきてください」


「分かりました。確か、森に行くには草原のボスを倒さなきゃだよね。

 それも含めて試験ってことか」



 マキナはボス戦に備えて消耗品を補充し、草原の奥へと進んだ。

 草原のボスはミミのときと変わらず角ウサギだ。

 トリプルタッチとリジェネサークルを駆使して角ウサギを倒した。

 雷による攻撃反射は、そもそも遠距離攻撃を使わないマキナにとっては無いのと同じだった。


「時間はかかったけど安定して勝てたね。

 でも、今後はヒットアンドアウェイも安定しなくなるだろうし、リーチを伸ばす手段が欲しいな」


 マキナは森へと進んだ。地図を頼りに目的地へと向かう。

 道中、蜘蛛や蜂のモンスターに襲われたが、時間をかけて1体ずつ処理することで無事に目的地まで到着した。


「マキナさん、お待ちしておりました」


「ギルド会館の受付さん?なんでここに?」


「私が今回の試験の試験官だからです。

 試験内容は、私からこのスキルの巻物を奪い取ることです」


 そう言って受付は、スキルの巻物が固定された背中をマキナに向けた。


「これは、私のHPを50%削ると外れるようになっています。その時点で戦闘終了です。

 それと、私は倒されても自動でギルド会館に戻る装飾品を付けていますので、手加減しなくとも大丈夫です」


「ふーん、最後は対人戦か。手加減しなくてもいいっていうのはありがたいね」


 マキナはそう言いながら盾を構え、戦闘態勢に入った。

 受付もそれに合わせるように槍を構えた。


「それでは……試験開始!」


 その掛け声とともに2人はお互いに向けて走り出した。



「私のスキルと槍の相性が悪すぎる!」


 その言葉通り、マキナは不利な状況に置かれていた。

 原因は圧倒的なリーチ差。さらに受付の戦い方も問題だ。

 槍の基本を常に守り、後ろに下がりながら一方的に攻撃できる距離を保つ戦法を取っている。

 これをされるだけでリーチが短い側は対処が一気に難しくなる。


「でも、どうにかして攻撃を当てないとやられちゃう。

 まずは逃げ道をふさいでから……博打になるけど、スキルを使われなければ……」


 マキナは受付の背後にリジェネサークルを設置した。そして突進を仕掛ける。

 受付は突進を警戒して後ろに下がり、リジェネサークルに足を踏み入れた。そして驚愕の表情を浮かべる。

 普通なら回復するエリアがダメージゾーンになっていたからだ。


「かかった!」


 受付は一瞬迷った後、リジェネサークルを出て、迎撃する構えを取った。

 ダメージゾーンに留まることを拒んで、前に出る選択をした形だ。

 マキナはスピードを落とさず突進を続ける。

 受付は真っ向から槍を突き出す。


「ぐはっ!」


 突き出された槍はマキナの腹を貫いた。マキナのHPゲージが一気に削れる。

 マキナはダメージエフェクトをまき散らしながら前進を続ける。

 受付が槍を引き抜こうとするも、できない。マキナが槍を掴んでいるからだ。

 さらに前進したマキナは、槍を握る受付の手を掴んだ。


「リベンジタッチ!トリプルタッチ!」


 マキナがスキルを発動させると、受付はポリゴンの欠片へと分解された。

 後にはHPゲージがほんの少ししか残っていないマキナとスキルの巻物だけが残った。


「ほとんど賭けだったけど、なんとか勝てた!

 やっぱりギリギリ勝つと気持ちいい~!」


 その後、マキナはスキルの巻物を拾い、ギルド会館でクエスト完了の手続きをした。



「これで、マキナさんは中級冒険者になりました。おめでとうございます。

 先ほどのスキルの巻物を使うと中級冒険者のスキルを獲得できますよ。

 それと、これは合格の記念品です」


 そう言って受付はマキナに大盾を手渡した。


「ありがとうございます。今日は疲れたし、装備の確認は明日やろうかな……」


 マキナはそうつぶやくと、ログアウトボタンを押した。


 パッシブスキル「中級冒険者」

 ギルドNPCから受けるクエストの報酬額が増加する

 クエスト中は着脱できない

 取得条件:中級冒険者認定試験をクリアする

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