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第22話、ボス戦と報酬

 森の奥から現れたモンスターは二足歩行の豚だった。

 身長は2メートルほど。片手には棍棒を持っている。

 いわゆるオークと呼ばれるモンスターだ。


「バリスタを壊したか。最後は自力で倒せということだな。

 なかなか粋なクエストじゃないか。

 ミミさん、今回は私が前に出る!」


「分かりました!麻痺でサポートします!」


 アンバーが槍を持って前に出た。ミミはその後ろについた。

 オークが棍棒を振り上げ、突っ込んでくるアンバーに向けて振り下ろす。

 棍棒が命中する直前、アンバーが叫ぶ。


「イリュージョンステップ!」


 そう言ったアンバーの姿がぶれた。直後、オークの背後にアンバーが現れる。

 オークは棍棒を空振り、アンバーを探して立ち止まった。

 アンバーはその隙を逃さず、オークの背中に槍を突き刺す。

 槍を足掛かりにオークの体を駆け登り、肩に足を掛けた。

 

「納!」


 叫びとともにオークに刺さっていた槍が消え、アンバーの背中に再出現する。

 アンバーは腰から刀を引き抜き、オークの首へ袈裟斬りを放った。


「体に登って攻撃するのかっこいい!」


 袈裟斬りは命中したが、オークを倒すには至らない。

 オークはアンバーを振り落とそうと、体をよじりはじめた。

 アンバーは玉乗りをするように、オークの体の上でバランスを保っていた。

 攻撃する余裕は無さそうだ。


「このままじゃアンバーさんが落ちちゃう。

 ジャンプで助けに……いや、動きを止めれば立て直せるはず。パラライズボール!」


 ミミの放ったパラライズボールの麻痺によってオークの動きが止まった。

 その隙にアンバーはバランスを取り戻し、攻撃の姿勢を取った。


「いい援護だ!」


 アンバーはオークの肩から飛び降りながら、全体重を乗せて刀を振り下ろした。

 その一撃はオークの脳天から股まで一直線に切り裂く。

 アンバーが着地して一瞬の後、オークの体はポリゴンへと変わった。


「お疲れ様、ミミさん。

 雑魚の対処とボスの援護、どちらも助かったよ。

 君がいなければこのクエストをクリアできなかったと思う」


「こちらこそ、アンバーさんの作戦でスムーズに攻略できたと思います。

 あと、ボス戦の動きがかっこよかったです。

 よかったらフレンド登録しませんか?」


「ああ、登録しよう。ちょうどこちらからも頼もうと思っていたところだ」


 ミミとアンバーはフレンド登録をした。

 ウィンドウを操作していたアンバーがミミのプロフィールについて質問してきた。


「ミミさんはクランリーダーをしているようだな。規模はどれくらいだ?」


「今は私を含めて2人です。昨日友達と作ったばかりなんですよね。

 もしかして加入に興味あるんですか?」

 

「いや、加入したいということではない。

 今までソロでやってきたから、クランについて知りたかっただけだ」


「そうだったんですね。ギルド会館に行けばクランについて色々聞けると思います」


「そうか。教えてくれてありがとう。

 クエストも済んだことだし、私はそろそろ別の場所に行こうと思う。

 改めて、協力してくれてありがとう、ミミさん」


「こちらこそありがとうございました、アンバーさん」


 ミミとアンバーは報酬を受け取り、村を出たところで別れた。

 1人になってから、報酬の装備品を確認してみた。


 足防具「防衛者の足甲」

 物理防御力+20

 魔法防御力+10

 直近10秒間の移動距離が短いほど追加で防御力が上昇する


「うーん、私の戦闘スタイルには合わないかも。売りに出してみようかな……

 やっぱり、マキナに相談してみよう。いい案が浮かんでくるかも。

 でも、今日のところはログアウトしようかな」


 ミミはアンバーにもらった地図を頼りに街へ戻り、ログアウトした。

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