第2話、最初の戦闘と合流
ミミの前に街の景色が広がる。
レンガでできた建物に、石畳、往来する人々。
人々の頭上には名前の表記があった。
「あれ……もしかして全部プレイヤー?
本当にMMORPGの世界にいるんだ……」
これまでもゲームの世界にいることは分かっていた。
しかし、こうして大勢のプレイヤーが歩いている様子を目にすると、ようやく実感が湧いてくる。
「よし、これから楽しむぞ~
まずは近場の敵と戦ってみようかな」
近くの掲示板に貼ってある地図を見て、周囲の地形を確認する。
最初のフィールドは背後の門から行ける草原のようだ。
草原をしばらく歩くと、ミミの前に初めてのモンスターが現れる。
のそのそと動く半透明の水滴のような生き物。
その上には『スライム』と表示されていた。
「スライムかあ。最初の敵だし勝てるよね?」
手にしたハンマーを握り直し、覚えたスキルの名前を叫ぶ。
「まずは……ムーンジャンプ!」
すると先ほどのように体が軽くなる。
そのまま上空に向かって全力ジャンプ。
落下の勢いを乗せ、スライムにハンマーを振り下ろした。
攻撃を受けたスライムは爆散。
ポリゴンの欠片が周囲に舞い散る。
「演出気持ちいいね!さすが最新ゲーム!」
最序盤の敵に撃つには明らかに強すぎる攻撃だが、初心者のミミはそのことを分かっていない。
「楽しくなってきたね」
ミミは周囲のスライムも同じようにムーンジャンプを駆使して倒していった。
10体目のスライムを倒したとき、スキルを獲得する。
パッシブスキル「空中攻撃マスター」
空中から攻撃する時、攻撃力上昇
取得条件:空中からの攻撃のみで相手を10体連続で倒す
空きスロットにセットしますか?はい:いいえ
パッシブスキル「先制の一撃」
体力が最大値の9割以上の相手に攻撃する時、攻撃力上昇
取得条件:10回連続で体力が最大値の9割以上の相手を一撃で倒す
空きスロットにセットしますか?はい:いいえ
「スキルを2個もゲットしちゃった。とりあえずセットして……
あっ!そろそろ真希との約束の時間だ。時間経つの早いな〜」
ミミは街まで戻ると、自分のプレイヤーネームとキャラの顔写真、すでにログインしていることを真希に送信する。
真希からは詳しい待ち合わせ場所が送られてきた。
幸いにも今いるところの近くのようだ。そのまま向かう。
待ち合わせ場所には1人のプレイヤーがいた。
名前は『マキナ』。杖と盾を装備している。
マキナはこちらに気づき、声をかけてきた。
「もしかして……美歩?」
「そうだよ。そっちは真希?」
「正解!無事に会えたみたいだね」
2人はゲーム内で初の対面を果たした。
フレンド登録とパーティー登録を済ませ、話し始める。
「真希……いや、マキナは初期武器は杖と盾にしたんだ」
「魔法使いになろうと思ってるんだけど、杖だけだと左手が空いちゃうから盾も選んでみたの。
貰えるものは貰っておかないとね。
ミミこそどうしてハンマーにしたの?
重い武器だと足の速さを活かせないんじゃない?」
「実は初期設定フィールドで……」
ミミはこれまでの経緯をマキナに話した。
「スキルはそんな感じで習得するんだ……」
「マキナは何か見つけた?」
「さっき始めたばかりだから初期スキルしかないよ」
「初期スキル?なにそれ?」
「初期武器の種類に応じてついてくるスキルのことだよ。
もしかしてチュートリアルやってない?」
「……やってない……」
「初めてのRPGなんだし絶対にやったほうがいいよ。
私、場所わかるから一緒に行こう。というか一緒に受けようよ」
「分かった、受けてみる」
ミミたちは揃ってチュートリアルへと足を運んだ。
ハンマーの初期スキルです。
アクティブスキル「スタンプ」
ハンマーを垂直に振り下ろし攻撃する
クールタイム:5秒
取得条件:初期入手、もしくはスキルトレーナーから購入する




