第19話、草原のボス
「今日は攻略を進めるぞ〜」
クラン設立の翌日、ミミは草原に立っていた。
目的は草原の先へ行くことだ。
そのためには草原のボスを倒さなければならない。
「遠くてよく見えないけど、ボスかな?」
ミミの視線の先には、白い綿毛のようなものがあった。
近づいてみると、動物の毛並みだと分かった。
「おお、あれはもしや……ウサギだ!」
そこには体長2メートルほどのウサギがいた。
額からは角が生えていて、その先端からはバチバチという音とともに青い光が漏れている。
「あの光……電気っぽく見えるな……でもやってみないと分からないよね」
ミミは兎霊憑依を使い、角ウサギに近づいた。
角ウサギはミミに気づくと、全身に雷をまとい、威嚇するような声を上げた。
「ウサギさん……恨みはないけど、先に進むため……パラライズボール!」
ミミは開幕からスキルを使い、角ウサギに襲いかかる。
今回はボスに確実に攻撃を当てるため、パラライズボールをセットしてきているのだ。
だが、そのもくろみは一瞬にして崩れる。
「パラライズボールが跳ね返えされた!?」
ミミはとっさに横に跳んで避けようとするが、不意を突かれ、反応が遅れてしまう
「あばばばば~!痺れる~!」
全身が麻痺して倒れているミミに向かって、角ウサギが突進してくる。
当然避けられるはずもなく、攻撃はクリーンヒット。
ミミは跳ね飛ばされ、HPが6割ほど減ってしまった。
「回復ポーション……あっ、買ってないんだった。
じゃあこれから一発も受けられないね。
何か作戦を立てた方がいいかも。まずは観察からしてみよう」
麻痺から回復したミミは素早く立ち上がり、角ウサギを観察する。
角ウサギは先ほどと同じように雷をまとったままじっとしている。
5秒ほどたつと雷が消え、角ウサギは動き出した。
「また突進だね。今回は避けて反撃してみよう……今!パラライズボール!」
その言葉通り、ミミは角ウサギの攻撃をジャンプで避け、反撃としてパラライズボールを放った。
今回は角ウサギにヒットしたようで、状態異常を示すエフェクトが表示される。
「今回は跳ね返されなかったみたい。今のうちに攻撃だ!」
ミミは妖精の軽鎧を使って角ウサギの背中に着地し、そのまま攻撃を叩き込む。
「スタンプ!うりゃ!おりゃ!」
ミミが背中に乗って攻撃を叩きこんでいると、角ウサギは体に力を込めるような動きを見せた。
すると、たちまちウサギの全身を雷が覆い、それに触れたミミは角ウサギの背から弾き飛ばされる。
幸いにも弾き飛ばしにはわずかなダメージしかなかったようで、HPゲージの減りはわずかだった。
「雷をまとったとたんに弾かれちゃったよね。
もしかして、雷をまとっている間は近くのものを弾き飛ばすとか?
試してみよう……パラライズボール!」
予想通り、パラライズボールは跳ね返され、ミミへと帰ってきた。
今回跳ね返ってくることを予想できていたので、余裕をもって避けることができた。
「ようやくわかったよ。雷をまとってない時に攻撃する作戦で行こう」
攻撃タイミングと方法を掴んだため、それからは苦労することもなく角ウサギを倒した。
視界の端にアイコンが出現する。どうやらアイテムを入手したようだ。
戦闘後、休みながらドロップアイテムを確認する。
武器「雷槌 角兎」
物理攻撃力+30
攻撃が相手の残りHPを超えてダメージを与えた場合、超えた分の半分のダメージを周囲の敵に与える。
「おお、新しい武器か~。集団戦で使えるかも。
角ウサギの攻撃は避けやすかったけど、反射がきつかったな~」
ミミは体力が回復するまで休んだ後、次のエリアに向けて歩みを進めた。
新しい武器も忘れずに装備する。
次のエリアは鬱蒼とした森だった。
葉と枝が空を覆い、こぼれる木漏れ日はわずかだった。
道らしい道もなく、地図がなければ方角すらわからなくなるほど木々が密集していた。
木の幹からは蔦が垂れ下がっており、遠くからは鳥やモンスターの鳴き声が絶え間なく聞こえてくる。
「とんでもないところに来ちゃった感じがするね……
これも冒険!探索頑張っていこう!」
ミミは森の中へと歩き出した。




