第14話、特訓と祭り
「祭りは明日かあ~。ダメージチャレンジに向けて私も仕上げていかないと!」
ミミは草原に立っていた。目の前にはスライム。
今日は最大ダメージを出す練習をするためにログインしている。
スライムはカカシの代わりとして使う予定だ。
「まずは……変身!」
ミミは兎霊憑依スキルを使い、変身する。
足が変形して身長が伸び、ウサ耳が生えてくる。
「昨日までの練習で走るところまではできるようになった……。
今日は最大ジャンプ攻撃を当てられるように頑張ろう」
まず、ムーンジャンプを使わずに全力でジャンプしてみる。
変形した足が跳躍をアシストし、ミミは身長の数倍の高さまで跳び上がった。
着地場所と向きも思い通りになり、スライムに攻撃を的中させることができた。
「この状態の全力ジャンプは問題ないみたいだね。
次は……ムーンジャンプ!」
今回はムーンジャンプも併用して、最大限の高さまで跳んでみる。
それぞれを単独で使った時よりも高く跳ぶことができた。
だが、高度が最高地点に達したあたりで気付く。
「この軌道じゃスライムに攻撃が当たらない……。
そうだ、妖精の軽鎧があるんだった!」
ミミは空中で軌道修正を念じる。妖精の軽鎧がそれに応え、ジャンプするかのように軌道を変えた。
そのままスライムに向かってハンマーを振り下ろす。
「最後は~、スタンプ!」
ミミの攻撃を受けたスライムはこれまでで一番派手に爆散し、攻撃の成功を伝えた。
「やった!初めてだけど成功した!空中で動けることをすっかり忘れてたよ。
あと、最後の攻撃でスタンプを使うのも良かったね。ぶっつけだったけど何とか成功した~」
成功に喜ぶミミの前に、スキル取得を伝えるウィンドウが表示された。
パッシブスキル「コンボマスター」
アクティブスキルを同時に発動した際、攻撃力が上昇する
取得条件:同時に3つ以上のアクティブスキルを使用する
「おお、ちょうど欲しい感じのスキルだ!練習したかいがあったね!」
ミミはその後も練習を重ね、止まっている相手ならほぼ確実に攻撃を当てられるまでになった。
「凄い!街が花に包まれてる!」
次の日、ログインしたミミは街の変わりように驚く。
街の建物や建物の間には、冒険者になったことを記念する横断幕や垂れ幕が吊り下げられている。
しかし、最も目を引くのはいたるところに生えている花と舞い散る花びらだ。
建物の壁や屋根にまで根を張り、風に吹かれて揺れている。
「花が設置されてるんじゃなくて生えてるのはなかなか見ない光景だね。
しかも建物は石造りだよね。どうやって生やしたんだろう。
そういう魔法でもあるのかな?」
ひと通り景色を楽しんだミミは、マキナと合流するために待ち合わせ場所へと向かった。
「マキナ、やっほー!」
「ミミ!やっほー!さっきパンフレットをもらったんだけど、ミミも見る?」
「気が利くねえ、一緒に見よう」
パンフレットには街の地図と共に出し物の場所が書かれていた。
酒場とその前の広場では臨時の屋台などが出ているらしい。
商店街ではセールが行われており、出口前の広場ではチャレンジイベントが開かれているようだ。
「商店街はこの前行ったから良いとして……屋台とチャレンジはどっちから行こうかな?」
「まずは屋台にしよう。祭りと言ったらやっぱり食べ物でしょ」
「賛成!いっぱい食べるぞ~!」
2人は酒場前の広場まで移動した。そこには様々な屋台が出店していた。
「うわっ、安い!ほとんどタダだよこれ!あっちの店も!
もしかして、全部の屋台が!?」
「ホントだ!マキナ、いっぱい買おう!」
ミミとマキナは食べ物を両手いっぱいに買い込んだ。
商品のラインナップは、祭りの屋台で売られているようなものや、手で気軽に食べられる軽食類だった。
2人は近くのベンチに腰掛けて戦利品を分け合った。
「おいしい~!現実の味と全く変わらないよ。いや、それ以上かも。
お腹が膨れないからいくらでも食べられちゃう!」
「そうだね。もしかしたら安いのは技術プロモーションも兼ねてるからなのかもね」
「食べ終わったら酒場に行ってみよう。もっとおいしいものがあるかも」
2人は食べ物を食べ終わった後、酒場の中を確認することにした。




