↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
11/18

第11話、新スキル

 花畑に戻ったミミは妖精と再び話した。


「もう戻ってきたの?蜂は倒した?」


「うん、巣があったから壊してきたよ」


「いい気味ね。これで蜜をお腹いっぱい食べられるわ。

 助けてもらったんだからお礼をあげる。ついてきて」


 ミミが案内されたのは花畑の一角。

 そこには乾燥した花や葉が積み重なっていた。


「この山を掘ってちょうだい。私がやってもいいけど時間がかかるわ」

 

「私がやるよ。妖精さんは離れてて」


 植物の山を掻き分けると、中には紙のようなものがあった。


「妖精さん、これは……巻物?」


「多分ね。人間用に作られたらしいけど、アンタも同じくらいデカいからあげるわ。

 持て余してたからいい機会ね」


 アクティブスキル「兎霊憑依」

 5分間変身する。他の変身スキルと併用できない

 変身すると脚力が上昇し、使用者の見た目に影響を及ぼす

 効果時間が切れると自動で再使用される。

 使用者が任意で変身を解除するか、MPが不足するまで変身は解除されない。

 消費MP:2000

 取得条件:対応したスキルの巻物を使う

 受け取りますか?はい:いいえ


「最大MPの5分の1も使うんだ……

 でも1回使えば5分間ずっと足が強くなるのはいいね。

 見た目に影響するのもちょっと気になるな……」


 ミミは巻物を受け取った。


「じゃあね。また来たら話し相手くらいにはなってあげる」


「うん、さよなら〜」



 ミミは花畑を出てすぐに巻物を使用した。


「それじゃあ早速試してみよう!」


 ミミが「変身」と口にすると、足の感覚に変化が起こる。

 足が勝手につま先立ちになる感覚。

 そして、それ以上に目線が高くなる。

 最後に、視界の上端に何か白いものが映る。


「うわっ!身長まで変わるの!?

 背が伸びたって言うより……靴がすごく厚底になった感じだ……

 それに、バネでも入ってるみたいな感覚……これが脚力上昇の効果かな?」


 ミミは自分の足を観察し、驚く。


「膝下が全部毛に覆われてる!形も動物の足みたい!」


 その言葉通り、足が動物のようなつま先立ちの形に変わっていた。

 触って確かめてみる。

 足が変形したわけではなく、靴がつま先方向に伸びて、偽の足先を作り出しているようだ。



「まずは歩くところから始めてみよう」

 

 普通のプレイヤーの視点で言うと、バネ付きの竹馬にハイヒールで乗っているような感覚だ。

 だが、ミミの身体は既に、立つには問題ないほどこの状況に順応していた。

 試しに一歩踏み出してみる。


「うわっ!歩こうとしただけでジャンプしちゃった!」


 ミミは想像していたよりも強いアシストを受け、初めて歩く赤子のようにふらつく。

 ふらつきを抑えるために足を踏ん張ると、その分強く踏み込んでしまう。

 さらに勢いを抑えようと踏ん張るほど、勢いが増すという悪循環に陥る。

 

「制御難しいよ〜!」

 

 最終的にミミは草原に倒れ込んでしまった。

 しかし、すぐに立ち上がり、また歩き出す。

 やがてミミはコツをつかみ、ついには歩けるようになった。


「減速するときは膝と股関節で勢いを落とせばいいのか〜。

 こういう動きって関節の負担が大きいけどゲームだから大丈夫だよね。

 あ、もうMPがないや」


 ミミはすっかり空になったMPゲージと時計を見て、そろそろログアウトすることに決めた。 


「ログアウト前に次の練習のためにMPポーションを買っておきたい……

 けどお金ないんだった。明日は金策だね」


 ミミは兎霊憑依を解除してログアウトボタンを押した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。