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49:古傷がうずく
〇前回のあらすじです。
『魔法使い・マーリンの名を聞いて、取りみだしたビビアン。彼女の悲鳴に応じた空気が、攻撃力となって、ユノたちを吹き飛ばす』
「――でえっ!」
「いたあっ!」
どすん。ぼてっ。
突然の空気砲に弾き飛ばされて、ユノはお尻から、パンドラは背中から、神殿の広間のなかほどに着地した。
玉座の上では、精霊がぶるぶる震えている。
おそるおそる。ゆっくり立ち上がりながら、ユノもパンドラも、彼女のようすをうかがう。
古傷がうずく――のだろうか。
瘧のように、全身をわななかせつづけるビビアン。その隣りから、先ほど「ご病気なのです」と言った女が一歩前に出て、切り出した。
「それは聞くも涙。語るも涙の話なのです」
「いちいち言わなくていいって」
「あれは、今から五〇〇年ほど前のことでした……」
横からの主君の阻止も聞かず。側近の女は語りはじめた。それは過去に起こった、精霊の体験談である。
また、いつ、玉座から激情の一撃が飛んでくるのか――。
はらはらして身構えながら、ユノとパンドラは傾聴した。




