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48:大声
〇前回のあらすじです。
『精霊・ビビアンについて。ユノとパンドラは、側近から「病気」だと聞かされる』
「びょうき?」
精霊の側近の女に、パンドラは鸚鵡返しした。
女は、妖精めいた真緑の髪を揺らしてうなずく。動きやすいように一本にたばねたクセのない髪が、馬の尻尾のように跳ねた。
ぎろっ。と精霊が女を睥睨する。
「だれが病気なのよ。あんな目に遭えば、だれだってねえ……」
「よくわかりませんけど――」
ぶつくさと不平をぼやく精霊ビビアンに、ユノは急ぎ、自分の用件を伝えた。いつ、また。彼女の気が変わって、命を奪われそうになるか分からない。
「ここには、ボクらは敵対しに来たんじゃありません。【シチリ島】にいる、魔法使いのマーリンさんに、ビビアンさんになら、ボクの知りたいことを教えてくれるって言われて――」
「その名を私の前で言わないで!!」
唐突に響いた大声に、ユノたちは飛びあがった。比喩表現ではなく、物理的に。
精霊の悲鳴に応じて、空気が衝撃波のかたちを取り、ふたりをゴおおっ! と吹き飛ばしたのだ。




