24:当番
〇前回のあらすじです。
『不思議なたねをユノがテノンからもらう』
〇
まき割りや庭の掃除、狩猟用の道具の手入れをしているあいだに、日が暮れた。
もうすっかり外は暗闇に染まっている。対称をなすように、室内はジェムのランプで煌々と明るい。
――夕食時にはバリトも帰ってきて、三人で食事をとった。昼とはちがって、テノンは黙々とシカなべを食べ、夕食はしずかに、すみやかに終わった。
「おーい。バリト。そろそろ行くぞー」
木のドアがノックもなく開いた。毛がわのジャケットに剣をかついだ四十ほどの男が軒先で待っている。四角い顎に黒いひげをたくわえた、山師のような男だった。
「ああ。フェルマーか。いま行くよ」
上衣をとって、腰に作業用のベルト(革鞄やナイフがくっついている)をまいて、バリトは席を立った。
壁に立てかけていた鉄のショートスピアをつかむ。これから夜の見まわりにいくのだ。ながし台で洗いものをしている少年をみる。
「それじゃあユノ。牢のほうよろしくな」
「はい」
「気をつけてな。兄ちゃん」
弟にバリトはうなずいて、よびにきた男――フェルマーと共に出ていった。
ちょうどユノも最後の食器をすすぎ終える。
「じゃあ。ボクも行ってくるよ」
「うん。ちゃんと村長さんとこで食べものをもらってから、あいつらんとこ行くんだぜ」
「わかってるって」
皿の水気を切って、ぬのを敷いた台にかさねた。
手ばやくユノは外出の仕度をする。
テノンに見送られて小屋を出る。村長の家へ歩く。
(『第2話:ミースの村』 END)
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