表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/71

12:ニュッ。




   ・前回ぜんかいのあらすじです。

   『冒険者ぼうけんしゃギルドで、ユノが【パンドラのはこ】を探すクエストをみつける』






   〇


 亜麻色(あまいろ)かみがゆれる。 

 かたにかかるカーブのかかった地毛(じげ)

 それをわずらわしくはらって、少女しょうじょ(おか)けのぼった。

 砂色(すないろ)のマントに、旅人(たびびと)の服をまとっている。背は低く、顔立(かおだ)ちはおさなくあいらしい。

 木々(きぎ)におおわれたのぼ(ざか)には、ほかにも旅装束(たびしょうぞく)のものがいる。

 みな手や背中せなか、腰に武器(ぶき)をたずさえて、(かわ)や金属の帷子かたびらをものものしくらしていた。

 戦士たちのすきまをくぐるように、少女は高いところにある建物たてもの目指めざす。

 『冒険者(ぼうけんしゃ)ギルド支部』と看板かんばんをかかげた建物たてものが、こずえこうにかおを出す。

 玄関口(げんかんぐち)から、人々はきだされていた。

 そのなかにまじって、黒髪くろかみの、のっぺりした顔つきの少年しょうねんが出てくる。

 ながめの(けん)を腰にさげ、なめし皮のベストと厚手(あつで)のロングパンツ、ゲートルで武装した戦士(せんし)だ。

 彼のことを少女はよく知っていた。


(あっ。ユノさんだ)

 目当めあての人物(じんぶつ)をみつけて、少女しょうじょあしをはやめる。

 旅用たびようの――しかし大地(だいち)あるくことはじつはあまりしていないので、さほどよごれていない――ブーツが、小気味(こきみ)よいおとをたてる。

 景色(けしき)が、にゅッと少女の背後はいごでゆがんだ。

 空間が()ける。

 しずかにのびた白い手が、少女のマントのえりをつかんだ。

 う人々の、だれも気づかない。

「えっ」

 と少女が言った時には、小さなからだが(ちゅう)く。

 パーティーメンバーと雑談(ざつだん)していたほかの冒険者(ぼうけんしゃ)たちが、かすかな声に気づいて振りむいた。

 その時には、もうそこにはだれもいなかった。

 おか岩肌(いわはだ)に沿ってめぐる坂道(さかみち)だけが、相変あいかわらずのびている。

 冒険者ぼうけんしゃたちのなかのチームのひとりが、虚空(こくう)注視ちゅうしする。

「おいフレデリック。どうした?」

「あ。いえっ」


 高価こうか(よろい)――金属の全身鎧(ぜんしんよろい)だ――でをかためた青年(せいねん)が、黒髪くろかみおとこばれてそちらに急いだ。

 みじかい金髪(きんぱつ)に、さわやかに輝くとび色のひとみ

 二十歳はたちほどの()()()だが、『武人(ぶじん)』というよりはおひとよしな隣人(りんじん)。という風采(ふうさい)の若い男だった。

 彼はうしろで面妖(めんよう)気配けはいがして振りむいたのだった。

 子どもの声がした気がしたが。あらためたところでなにもない。

 自分とおなじように、きつねにつままれたようなかおをしている冒険者ぼうけんしゃ何人(なんにん)かいるのが気になったものの、ほかのものと同様どうように、気のせいかといきかせた。

 前方ぜんぽうっている、もと上司じょうしおとこのほうに()けていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ