表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/71

11:ギルド支部




   ・前回ぜんかいのあらすじです。

   『広場ひろばでユノが司祭の演説をく』






   〇


 西区のおかにある建物たてもの

 高台(たかだい)に建つおおきな(やかた)は、エルドランのまちをふくむ周辺しゅうへん地域をおさめる領主(りょうしゅ)()()したものである。

 正面(しょうめん)玄関(げんかん)看板かんばんには、『冒険者(ぼうけんしゃ)ギルド支部(しぶ)』と大陸()()られていた。

 (けん)(たて)のエンブレムが、そのうえに堂々と輝いている。

 ユノは、そのギルドの受け付けにいた。

「どういうことなんですか?」

 職員しょくいんおとこに問いかえす。

 細身ほそみ眼鏡めがねの、ベテラン風の壮年(そうねん)が、事務じむ的な表情ひょうじょうでくりかえす。


「ですから。グールの掃除(そうじ)をおまかせしたいと」

「でも。彼らはもともと人間なんでしょう?」

 ほかとくらべても小奇麗こぎれいなギルド(ない)は、仕事を受けにきた戦士(せんし)たちで賑っていた。

 職員しょくにんに食い下がっているユノの声も、待合所(まちあいじょ)にいるグループの談話や、なかまをスカウトする声、報酬(ほうしゅう)(がく)に対する職員しょくいんへのクレームなどにまじって、雑音ざつおん一部(いちぶ)になっている。

 けのおとこ――制服の左胸ひだりむねにさげたおおきな職員バッジには、【ピグマリオン】と彼の()()されている――は、日焼けのしていない白い(くび)をかるくった。

人間にんげん(かわ)をかぶったものですよ。ユノさん。とおっしゃいましたか。司祭(しさい)さまの演説がまだでしたら、聴講(ちょうこう)をおすすめしますが?」

 壮年そうねんの男――ピグマリオンは、それで説明せつめいたしたとばかり、ユノに退席(たいせき)をうながした。

 うしろには【依頼書(いらいしょ)】を手にした戦士せんしたちがひかえている。

 彼らに小さく会釈(えしゃく)して、ユノはカウンターからすごすごと退()いた。


 質問しつもんのためにがしてきた小さなかみを、掲示板(けいじばん)にもどしにいく。

 おくにあるコルクボードには、エルドラン近郊(きんこう)つかったグールの()一掃(いっそう)が、教会(きょうかい)経由(けいゆ)のたのみとしてり出されていた。

 しピンで掲示板に刺された、もう数えるほどしかのこっていない正方形(せいほうけい)紙切かみきれをながめる。

 実入(みい)りがいいため、競うようにはがされてゆくのだろう。

(ほとんど教会きょうかいからのグール退治(たいじ)だ)

 あいているスペースに、ピンで紙をめなおす。

 ペンドラゴン国王(こくおう)からは、この()の仕事を手伝えと言われたが。

慎重(しんちょう)に考えないと)

 ――依頼いらいの怪物、グールは、エルドランのまちに来る以前に何人(なんにん)か退治したことがあった。

 もとが人だとは知らなかったとは言え、()にかけたのは実際にやってしまったこと。

 そして知ってしまった以上いじょう、ユノは【グール】を()りふせるのに、いままでの気構きがまえではいられなくなっていた。


(もう人殺しはしないって、フローラ王女(おうじょ)とも約束したし。これ以上いじょうは……)

 一歩(いっぽ)。ユノはうしろにさがった。

 真新(まあたら)しいかみ一枚(いちまい)、ボードのはしにあるのに気づく。

(これは。モンスター退治じゃないな)

 両目りょうめをすぼめて、ユノは内容ないようを確認した。

 手に取って、引きはがす。

 それも教会(きょうかい)からの依頼だったが、

探索(たんさく)のクエストだ。探すのは……。えッ?」


   パンドラの(はこ)


 と、ユノはみじか名前なまえをくちずさんだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ