なんだと!
サンゴス「だ、騙されんぞ!」
??「そうだ!そうだ!」
??「今更そんな
都合の良い者が現れる筈ないでしょ!?」
腰を抜かしたままのサンゴスの両サイドから、サンゴスより幾分かは大人しめのデザインだけど、やっぱり少しダサい法衣を纏った人物が2人現れ、サンゴスの脇の下に手を入れ立ち上がらせながら、
リアリナの言葉を否定する。
その際、サンゴスの時と同様に、ドリアード達はその者達をワザと止めないでいた。
直人(おぉ、、なんか増えた、、けど、やっぱ
弱そうだな、、それに、、
エルフなのか?)
直人が疑うのは仕方がない
エルフ族は基本的に美形が多く、スタイルも良い者が多くいる中で、
サンゴスは痩せてヨレてる印象を感じる老人の見た目であるし、
新たに出てきた、
1人はエルフ族に珍しくポッチャリしており、
やはり少しハゲてる年齢は50歳位だろうか?
そして
2人目は、なんと!ケバイ化粧をしてるオバハンである。インパクトはサンゴスやポッチャリの存在をかき消す程である。
まさに、
ヒステリークレーマー代表的容姿(偏見)
リアリナ「そうですね
突然な事で戸惑いはあると思います。
貴方達の様に、現在不安を抱く国民は
多く居ます。
なので、予定には無かった事では
ありますが、ナオト様に
貴方達か言う【試練の儀式】とらやに
【わざわざ】御足労して頂きました」
サンゴス「何がワザワザじゃ!
これまで何度も【迷い人】を騙る
異世界人がこの地を訪れたが
どいつもこいつも多少強いだけの
よそ者じゃった!!
どうせ此奴もRANK3級が
倒せるかどうかで調子に乗ってる
だけじゃろうが!!
そんな者に期待するだけ無駄じゃ!
これは天命なのじゃ!
抗うのを止めよ!
破滅に身を委ねるのだ!」
スズリ「ぇ、でも、RANK3級倒せるなら
十分凄い事じゃ、、、」
??「だまらっしゃいっ!!
小娘風情が分かった様な事
言うんじゃないわよ!!
もう、そのレベルを数体倒した所で
破滅は止まらないのよ!
そんな事もまだ分からないの!?」
サンゴス「ふむ、まぁまぁ、
【アネスラ】そんな愚か者でも
エルフの一員じゃ、それを導くのも
儂等の使命じゃろ?」
??「流石です!サンゴス様!
この【ラクトン】感激しました!」
アネスラ「そうですね
わかりました、、さぁ、小娘、いえ、
スズリと言ったかしら?
貴女も破滅に身を委ねさい
さすれば、無垢なる魂となって
肉体が滅びても
【魂】は救われる事でしょう」
スズリ「あ、いえ、その、今は、
救世主様の事を聞かなければ
ならないので、、その、
報道人の1人として!
より多くの人達に真実を
伝えるのが今の私の【使命】だと
思います!
だから!破滅信徒になりません!」
妖怪の様なケバイ化粧のアネスラに押され気味だったスズリだったが、自分やるべき事を主張し、最後には強い意志の宿る瞳に戻り、勧誘を真っ向から否定した。
直人(かっけぇ、、、報道人の信念か、、)
アネスラ「小娘がぁ!優しくしてあげれば
調子に乗るんじゃないわよ!」
唾を飛ばしながら妖怪の顔が更に邪悪な表現となり、スズリに近づき腕を振り上げる。
スズリ「やっ!?」
身体をすくませるスズリ。
殴られる!?
そう思い、目をつむり体に力を入れたスズリだが、数秒経っても衝撃が来ない事に恐る恐る目を開けてアネスラの方を見ると。
直人「まぁまぁ、
そこまでする必要はないんじゃないか?
彼女も必死なんだ、貴女なら己の信念を
大事にする気持ちわかるでしょ?」
いつの間に移動したのか、振り下ろされた手首を掴んで、アネスラの瞳を覗き込む様に諭す、直人の姿があった。
アネスラ「あ、え??」
直人「ぶつ方も痛いんだ
今はそんな事するより
建設的な話する時でしょ?」
そう言ってアネスラの手を掴みながら下に腕を下させて、肩をポンポンと軽く叩く。
アネスラ「は、はひ、、」
何故か顔を赤くして、目を回しながら大人しく返事する。
直人は熟女キラーの称号を得た!
トゥットゥルゥー!!
スズリ「あ、あの、ありがとぅござ、」
サンゴス「貴様!!
アネスラに気安く
触るでないわ!!」
激昂したサンゴスは握り拳をワチャワチャ振り回しながら足早に直人に近づく。
アネスラ「あ、アナタ!?ち、違うのよ
コレはその、あの、」
直人(ん?夫婦なのか?何か怒ってるし
エルフ族のタブーに触れたか?
マズったなあ、、
手首持ったのがマズかったのかな?
肩を触れたこと?まぁ、今回は
しゃぁないから2、3発ドツかれるか
痛く無いだろうし)
何やら動揺してるアネスラの手首を放し、サンゴスのヨレヨレパンチがアネスラやスズリに当たらない様に少し前に出ると、自然体でサンゴスに殴られるのを待つ。
サンゴス「痴れ者がぁ〜
天の裁きじゃぁ〜」
ヨタヨタ走ってるのか歩いてるのか分からない速度で直人に向かって来るサンゴスが直人との距離が2mを切る場所まで近づいた瞬間。
ズンッ!!
ガッ!!
シャキン!!
サンゴス「んなっ!?」
周辺にいたドリアードの女性達数人の手から伸びた植物の【ツル】の様なものがサンゴスの手足や胴体、首にまで纏わり付き
拳に風の魔力を纏わせたアリーシャの拳がサンゴスの顔面スレスレでピタリと止まっており、アリーシャの腕や肩、胴体には、ニアとリアリナの両手から伸びた【ツル】がアリーシャの動きを止めていた。
アリーシャ「ニア、リアリナ何故止める?」
サンゴスを殺気のこもった視線で睨みながら、冷徹な声音で問う。
リアリナ「気持ちは分かりますが、流石に
その右手に宿した魔力量ではサンゴスが
【死んでしまいます】よ」
アリーシャ「そのつもりだ、、エルフ族の
汚点は族長である私が拭わねば
ならぬのだ!邪魔だてすると
いくらドリアード族と言えど容赦しな、」
直人「ふむ、、ところでアリーシャ
エルフ族にとって【こんな感じ】で
手を掴んだり、肩に触れる行為は
特別な意味があったりするのか?」
アリーシャ「なっ!?」
リアリナ「まぁ、、」
スズリ「す、凄い」
ニア「えぇ!?」
その他のエルフやドリアード達も直人の行為に息を呑んだ。
それもそのはず、アリーシャの魔力を宿した拳はいわば剥き出しの破壊兵器であり
直人がアリーシャの拳を握る行為は
【マグマ】を素手で掴んでる行為と一緒である
直人「ん?え?なんだ?
どうしたんだ?
やっぱり何か意味あるのか?」
アリーシャの拳を握ったまま下に下ろし、手を離すと、硬直してるサンゴスに向き直ると
直人「サンゴスさんだったか?
あんたの言う異世界人だからさ
この世界の常識には疎いんだわ
無知は罪って言葉もあるし、
知らなかったとはいえ、人の嫁さんに
破廉恥な行為をしたのは
申し訳無かった、すみません」
サンゴス「え?あ、、ん?」
直人の謝罪にイマイチ言ってる
意味が飲み込めない
サンゴス絶賛混乱中
アリーシャによって頭を吹き飛ばされる恐怖
ドリアード達が止めてはいたが、すぐにでも実行されそうだったが、直人があっさりとその危機を救った。
そして何故か直人が謝ってる。
しかも見当違いな事で
直人「えっと、、アネスラさんだよな?
さっきはすまなかった
安易に女性の肌に触れるもんじゃ
無いのは分かっていたが、手首位なら
非常時だし構わないと思ったんだ
申し訳無い」
そう言ってアネスラにも頭を下げる直人。
シーーーン
直人(あ、あれ?無反応?
ちょ、気まずいんだけど!?
頭上げるタイミング逃したーー!)
プッブハッ
と静寂に包まれたギルド内に
誰かの吹き出す声が響き。
その声に釣られる様に。
あはははははははははははははは!!!
ギルド内が笑いに包まれた。
直人「え?なに?何事?」
顔を上げてキョロキョロしている直人に
スズリ「あはははは、な、なんで
行動起こす度に凄い事してるのに、
見当違いの事で謝ってるんですか!」
直人「ええ!?見当違いなの!?
じゃぁ、なんでサンゴスのじいさんは
あんなに激おこプンプン丸に
なってたんだよ!」
スズリ「激おこ?はちょっと分かりませんが
サンゴスさんが怒ってたのは
ナオト様が凄いのは一目見た時から
理解したのだと思いますが、
破滅信徒として認める訳には
いかない
だから何か理由を付けて否定
し続けたんだと思います」
優しい笑顔で答える。
直人「う〜ん、、そうか、、まぁ
よく分からんが、、
その破滅信徒がなかなか根深いのは
何となく理解したような
しないような、、
ってか、サンゴスのじいさんは
マジで俺の事一目で認めてたのか?」
スズリの説明に首を傾げつつ
サンゴスに自分に対しての認識を確認する。
サンゴス「誰がジィさんじゃ!
それに!
認めてるわけないじゃろ!
調子に乗るでないわ!」
直人「違うのかよ!
スズリちゃん!
違うってよ!」
苦笑いしてるスズリ
サンゴス「しかしじゃ!少なくとも
【試練の儀式】をやらせる位には
ほんのちょっとだけ
指先程の可能性じゃが、、
認めるわけじゃないのじゃが、、
力はあるようじゃからな!
やらせてやらん事もないぞ!
どうじゃ!喜べ若僧!!」
直人「いや、ツンデレかよ
ジジィのツンデレとか誰得だよ」
サンゴス「じゃから!誰がジジィじゃ!
中年と言われても!
ジジィと言われるほど
老いぼれては居らんわい!」
直人「いや、どうみても、、」
リズ《マスター、
サンゴス氏は見た目はアレですが
マスターと同じヒューマンに換算
すると【40歳】前後だと思います》
暫く大人しくしていたリズからの助言が入った。
直人「なにぃ!?同世代かよ!」
サンゴス「なっ!?なんじゃ
急に意味の分からん事
叫ぶんじゃ無いわい!!」
リズ《正確には38歳位だと思います》
直人「まさかの年下!?
サンゴス!お前!この野郎!
年下のクセにジジィ言葉使ってんじゃ
ねぇよ!
紛らわしんだよ!!」
サンゴス「誰が年下じゃ!
さっきから意味の分からん事
訳わからん事言うでないわ!!」
直人「意味分からねぇ事言ってねぇよ!
この世界に来て若返ったけど
元の世界じゃ、お前より
年上なんだよ!!って、、ん?」
サンゴス「なっ!?
人生の先輩じゃっただと!?
なら、、って、、どうしたんじゃ?」
直人「え、、と、、ならさ」
周りに聞こえない様にサンゴスに近づき、小声で聞く。
直人(アネスラって何歳なの?)
サンゴス(なんじゃ藪から棒に、、
120歳じゃ)
リズ《35歳位ですね》
サンゴスの答えに瞬時に補足する。
直人「サンゴスお前、、苦労してるんだな、、」
直人とサンゴスのやり取りを不安そうに見ていたアネスラをチラリとみた後
サンゴスを切なげな目で見つめて同情する。
サンゴス「うぐっ!?なっんじゃい急に、、
そんな事言ってわしまで謀る
つもりじゃろうが!そうは、、」
ポンポン、、、
直人に食ってかかるサンゴスの頭を軽く叩く直人
直人「分かった、分かった、、辛かったな
そんなになるまで良く頑張ったよ
後はさ、人生の先輩に任せろよ!
後輩なんだから
遠慮はいらねぇぜ?な?」
その時、直人の手から出てる僅かな魔力に触れた事により、サンゴスの頭から全身に電気の様な感覚が走った。
それは痛みを伴うものでは無く
その逆に【温かく】深く強大な力の片鱗を垣間みた、、、
全身で体験したその【力】の正体を
サンゴスの【魂】から理解した。
【本物の救世主】
である事に。
全身が小刻みに震える。
胸の奥から湧き出る感情に
鼻の奥からツンとしたものが込み上げて来て
涙が溢れ出しそうになるのを唇を噛んで必死に耐える。
膝に力が入らない、、、
わしは、、わしは、、道を間違った様だ、、、
神など所詮飾りと決め付け、、、
救われない事に裏切りモノと罵り
自分の無力さから目をそらし、同じ境遇の者たちを集めて悦に浸っていた愚か者はわしの方であった。
神は我らを見放してなどいなかった!
最後まで諦めず!この御方を遣わして下さった!
であるならば!
わしは!ケジメをつけなければならない!!
他者を巻き込み!
破滅を騙る愚か者に相応しい裁きを!!
だが!
ここで膝を地につけ!
自らの過ちを懺悔し!
ケジメを付けると称して
自害する事など出来はしない!
今はまだ!!!
わし良い!!
この御方が
【本物】だと間近で理解出来たのだから!
しかし!
絶望に打ちひしがれてる同胞は数多く!
疑心暗鬼となって明日の希望を失っておる!
その者達に【希望】を持たせるのは生半可な事では不可能!!
ならばこそ!
わしが今世紀最大の【道化】となり!!
この御方こそが皆の【希望】である事を
証明しなければならない!!!
最後まで愚かに生きる!!
それがわし、、いや、、【俺】の贖罪だ!!!




