3 この世界の理り
「ねぇアヴェル、ここってスイスかどっか?」
「…すいす?なんだそれは」
…ああ、やっぱり。
「じゃあ、日本とかアメリカってある?」
「聞いたことがないな…」
確定。ここは私のいる世界じゃない。
でもなんとなく分かっていたことなので、さして落胆はしなかった。
「んー、ここってどこ?」
「…そんなことも知らないのか?ここは”風の国”だ」
知りませんねー。
「えーっと、この世界ってほかになんか国とかある?」
アヴェルはしばし私の方を見て、それから溜息をついた。
「…まぁいい。まず4つの大国が東西南北を支配している。アネモスは東を。”炎の国”は西を。”水の国”は南を。”雷の国”は北を。さらにその周りを多数の国が群がっている」
ほほー、つまりここは東ってことか。
よし、なんか答えてくれそうだしバンバン聞いちゃおう。
「ねぇ、アヴェルってさっき風みたいなの使ってなかった?」
「あれは魔法だ。この世界には4つの神がそれぞれの大国で眠っているとされ、そこに神殿が建てられ、祀られている。そして、それぞれの”神の加護を受けたもの”にはその神の司る力がスペルや詠唱なしで生み出せる」
…うーんわからん。
「4つの神?」
「風神、雷神、炎神、水神だ。風神は風、雷神は雷、炎神は炎、水神は水だな」
「ふーん…”加護を受けたもの”って、どういうこと?」
「神は自分の力を十分に扱える器だと判断した人間や獣に、力を与えるんだ。ホーリーというのはその力を与えられた者だな。それは髪でわかる」
つい、とアヴェルは自分の髪を持ち上げた。
「あ、もしかしてアヴェルの髪の毛が銀色だから、風の神の加護を受けてるってこと?」
「そうだ。お前は蒼い髪だから、水神の加護を受けているのだろう。炎神なら赤で、雷神なら金だ」
ってことは水でも操れるのかな。なんか超能力者になったみたいで嬉しいかも。
アヴェルは髪の毛を持ち上げていた右手をおろし、
「加護を受けているものは少ない。それほどの器をもった存在はなかなかいないからな。雷神がもっともおおく、二番目に風神、次に炎神、そして水神の順にどんどん数は少なくなっている」
「じゃあ私は少ない一人なんだ」
「そういうことになるな。さらにアネモスでは風神を祀っているから風神のホーリーがでやすい。ピュールでは炎神のホーリーが出やすいんだ」
「祀っている国で、その神の加護を受けたものがでやすいってこと?」
「ああ。そして、ホーリーは祭り上げられやすい」
「どうして?」
「ホーリーはその神の御子に近いものとされているからな。それに、その国の祀っている神のホーリーだと、なおさらだな」
「ナルホド…」
なんか知識をいっぱい詰め込んだ気がする。知恵熱でそう。
「そういえば、さっきの雷狼は帯電してたし金色だったけど、それもホーリーなの?」
「そうだ。ホーリーの一族、といった方が正しい。雷神の守護獣とも呼ばれているな」
そんな神聖っぽいものを君はばっさばっさなぎ払ってたんかい。
はぁー…なんてファンタスティックな世界…
…でも、これからどうしよう。
一応この世界の常識は教えてもらった。でも私にはお金(があるのかは知らないけど)もないし、もちろん頼れる人もいない。
女神様、もう少し考えて転生させてください。
「…もしかして、行くあてがないのか?」
「…うん」
みかねたのか、アヴェルが声をかけた。
優しーね、君は。
「…俺と一緒にこい。自立するまで面倒みてやる」
「…はい?」
「一人じゃ生きられないだろう、自立できるまでそばについてやる」
…えーっと、もしかして、助け舟?
「いいの?」
「捨て猫は面倒みないとだめだろう」
私は捨て猫レベルですか。
…でも、お言葉に甘えることにしよう。
「うん、じゃあよろしくね、アヴェル」
「…こちらこそ、アクア」
…消えた、だと…!?
というわけで投稿したらエラーで消えて、呆然とした作者です。
これは二度目の投稿。若干やる気をなくしたのではしょってるかもしれない。
次は多分魔法の練習だと思います。




