2 アヴェル
「とりあえず離れてろ」
銀髪美形君はそう言って、私を守るように狼モドキの前に立ちはだかった。…かっくいー。
銀髪美形君斧を構え、狼モドキと間合いを取る。なかなか強者っぽい。これなら安心かも。なんか守られてるのには慣れてないせいか、むずむずするけど。
先に動いたのは銀髪美形君だった。何故かしらないけど斧を振るった方向に風が出る。近くにいたものは斧でなぎ倒され、遠くのものは風になぎ倒された。…どうでもいいけどこの”銀髪美形君”って長いな。
「ねぇ、名前は?」
「今聞くことか!?」
ですよねー。
「……アヴェルだ」
あ、答えてくれるんだ。
その銀髪美形君もといアヴェルはまだ残っている狼モドキの残党を残らず斧で狩ってくると、私に手を差し伸べた。…あい?
「大丈夫か?」
ああ、なるほど、心配してくれてるのね。
「ありがと、助かった。でも別に怪我してないし、手を差しのべるのは大袈裟だよ」
私はパンパンとお尻を払い、立ち上がった。
「…蒼い髪か、綺麗だな」
「第一感想それですか」
呆れつつも私は吹き出した。なんだ、この人ちょっと可愛い。
意外と天然さんなのかもしれない。
「お前の名前は?」
「私?」
ここは前の時の名前を語るべきなのだろうか。それとも、新しい名前?
迷った挙句、新しく名前を考えることにした。さすがにこの髪で日本名はおかしすぎる。
「アクアだよ」
蒼い髪から連想して、水って意味の名前を付けることにした。
「…アクアか、しかしお前、なぜこんな危ないところにいた?」
転生してきました、とは言えるはずも無く。
「んー…道に迷っちゃって…?」
「こんなところまで迷うか」
ですよねー。
でも、アヴェルはなにか事情があると察したのか、それ以上は何も突っ込んでこない。いい人だ。
「えーっと、どうしてここが危ないの…?」
「…そんなことも知らないのか。ここは”雷狼”のいる森だからだ」
「雷狼って…さっきの帯電してたっぽい狼モドキのこと?」
「そうだ。とりあえずここを離れよう。また襲ってくるかもしれないしな」
アヴェルが歩きだしたので、私も付いていく。とりあえず、この世界の住人1を見つけ、しかもなんとなく私のことを守ってくれそうだし、ここはいろいろと聞いておくことにしよう。
次、この世界の説明はいりまーす。




