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そんな私の別人生。  作者: 久留間水樹
それぞれの出会い編
31/47

29 ランル

 若干後ずさりしつつ、中へ連れられた私はまず感動した。


「…凄い…」


 風鈴の一人が自慢げに言う。


「この国の城は豪華なことで有名なのです」


 へぇ、そうなんだ。

 

 どこの世界に行っても、芸術品っていうのはいいもんだなぁ。


「っていうか、どこ行くの?」


「女王様のところです」


「…そう…」


 一気に心が重くなった。


 礼儀作法とか、あんまり知らないし、この違う世界となれば尚更だ。


 と、アヴェルは苦笑して、


「いや、この国には礼儀作法など気にしなくていいぞ。なにしろ女王がアレだからな」


「?アレ?」


 っていうか何気に心ん中読まない。


 アヴェルは答えず、まあ気にするなということだ、とまた苦笑。


 …なんなんだろう。


 と、前にでっかい扉が現れた。


「ここの奥が我らが女王のいる間です」


 風鈴の人たちはここで待っているらしい。


 私は扉を開け、中に入った――と。


「コラっ無礼者っレディの裸を見るでないっ!あっちに行けぇ!」


「…はい?」


 なんか、幼女が真っ赤な顔でバスタオル一丁で声を張り上げていた。


「無視するなぁ!わっちが誰だか知っておるのか!わっちは――」


「この国の女王でしょう。お久しぶりです、ランル女王」


 ランルと言われた女王らしい幼女は、はた、とアヴェルの顔を見て、


「おお!アヴェルではないか!久しぶりじゃの!これこれ、わっちが何度も顔出しにこいといったのに、こんとはまったくのう」


 嬉しそうにアヴェルを見てふんふん鼻歌を歌うランル。


「…アヴェル、本当にこの子が女王なの?」


 まだ子供じゃない?

 

 私が尋ねると、アヴェルはああ、と頷いた。


 ランルは(ない)胸を張って、ふふん、と威張る。


「わっちこそこのアネモスの女王、ランルじゃ!わっちは人気者の女王なのだぞ?お城を抜け出してお忍びで街にいったら、民はわっちにお菓子をたっくさんくれるのじゃ!」


 …それはただ単に子供を甘やかしているだけなのでは?


 と思ったけど言わないことにした。


「でもアヴェル。こんなのが女王で本当に国成り立つの?」


「ああ。…この人は聡い。だから、あどけなく振る舞い、油断をさせて逆臣を落とす。そしてそれを気付かせない。もちろん、気づいている奴らもいるけどな。この人の聡明さに。重臣はこの人を敬うし、逆臣はこの人を邪魔に思う」


「…へぇ」


 つまり、凄い女王なのか。


 その凄い女王ことランルはくるくると回り(何してんだ)、はた、と気づいた。


「そうじゃ、忘れていた。大巫女似合いに行け」


「まあ、神殿には行く予定だけど…」


 私が言うと、ランルは嬉しそうに頷いた。


「そうか。なら尚更好都合だな。わっちの風で送ってやる。少し待っていろ」


 ランルは風で運んだらしい服に着替えて、にやりと笑った。


 アヴェルが後ろでう、とか呻いてたのは…気のせい、だよねー?


「わっちの風邪は少し荒々しいからの。吐かないように気をつけろ」


 


 その後、何かあったのかは記述したくない。




「っっっっっっっぷっはぁーっ!!!」


 地面がこんなに恋しいとは思わなかった。


 地面にペタリとへばりつく。アヴェルも同じようにへばりついていた。


 ランルはくすくすと笑って


「なんじゃなんじゃ。この程度でへばりおって」


「いや…あれは荒々しいとかそういうレベルじゃありませんから…っ」


 アヴェルが抗議しつつ、立ち上がった。


 私も大きく息を吐いて立ち上がる。


 ついたのは、神殿。


 ギリシャ神話みたいな神殿だった。


「…おお…」


 と、向こうに誰か倒れている。


 誰だろうと思い一人で近づくと、赤色の巫女服をきた女性。


「…え…?」


 私の頭が、それを認識することを拒む。


 巫女服を染めているのは、血。


 そう。


 それは。


 真っ赤な――――死体。

 

ランル登場!幼女2体目wwご感想お待ちしております

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