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そんな私の別人生。  作者: 久留間水樹
それぞれの出会い編
30/47

28 ドロドロ



 とりあえず、城の方へ走りながら話しましょう、ということで。


 私たちは逃げていた。


「ああ、もうっ!なんでこんなことになってるの!?」


「はい、説明します。先日、予言がなされたのです」


「予言?」


 街の路地を行き、敵を錯乱させながら城へと向かう。


 何度か矢が刺さりそうになったけど、水の防御膜をはっといたおかげでそれをはじき、傷一つ負うこともない。

 

 この際敵を全部けちらせばいいんじゃないか、と思ったけど風鈴さんたちによると、相手は一筋縄ではいかないそうな。


「まさか、大巫女か?」


 アヴェルが横から口をだす。


 風鈴の一人は頷いて


「はい。あの大巫女様が、です」


 確か、大巫女様って、神殿の一番偉い人で、アヴェルの補足説明によると王様(この国は女王様)と並んで偉いツートップの一人らしい。


「どんな予言?」


「クリフレットにいる水妖を持つ水神のホーリーが、この国にきてこの国を繁栄に導く、と」


 ほー、それはそれは。


「そこで、クリフレットにお触れを出して、それに当てはまるものを探させました」


「で、私を見つけたのね」


「…気がつかなかったな…」


 私達、あんまり外のこととか気にしてなかったもんねー。


「ということは、今アクアを狙っているのはこの国の繁栄を願わない者たち、か…」


 アヴェルが忌忌しげに呟く。


 風鈴の一人は肯定の頷きをして


「はい。この国の内部のものなのか、それとも外の国の奴らなのかは分かりませんが」


「内部?」


「ああ。この国の繁栄を願わないのは…例えば、騎士とかか」


「…どうして?」


 それには風鈴の一人が答えてくれる。


「この国は、女王と大巫女のツートップで権力は握られています。つまり、この二つが繁栄する限り、騎士達は永久に彼女らの駒にしかなれないのです」


「…つまり、自分たちも権力持ちたいから、繁栄を阻止するっていうの?」


 そういうことになりますね、と風鈴の一人は頷いた。


 それに、とアヴェルが付け足す。


「もしお前が来なくて、大巫女の予言が当たらないとなると、神殿の権力も弱まるからな」


 …なんか、ドロドロしてるなぁ。


 巻き込まれるこっちの身にもなって欲しい。


 ふいに、風鈴の人たちが止まった。


「…?」


 はっと目の前を見ると、そこには支部よりも遥かに大きい城が立っていた。


「ようこそ、この国の要、ジャーンズ城へ」


 風鈴の人達が、揃って綺麗にお辞儀をした。




 

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