24 治療
「アヴェル…どうしてここに?」
「あのあとお前たちを探している間に、こいつの手下に合ってな。時間を食っていた。倒したあとそいつに道案内をさせてここまできたんだ」
よく見ると、アヴェルの足元にはフラムさんの部下らしき人が伸びていた。
うわぁ、ボコボコ。
「ぐっ…ふん、しぶとい奴だな」
「悪かったな。そう簡単には死なないさ」
フラムさんはアヴェルの斧を振り払い、アヴェルと対峙して――息を吐いた。
「まあいい。僕にはやらなければならないことがある。あなたたちに割いている時間などないのでね。今は殺すときではない」
そして、私の方へ向いて、すこし悲しげに笑った。
「残念ですよ、アクアさん。あなたはこちらに引き入れようと思っていたのに」
「…私に、モアの仲間を殺せというんですか…?」
「必要があれば、ですけどね」
フラムさんはもう話すことはないと言わんばかりに私達から背を向け自分のテントへ戻っていく。
「…アクア、帰るか。モアを早く治療してやらんとな」
あ、と思い出してモアの傍まで駆け寄る。
「モア!」
モアはボロボロだった。髪は焼け焦げ、服も切り裂かれている。ところどころ火傷もしているみたいだ。
「…まま、ごめんね…もあ、あいつにたおされて…」
口調は戻っていた。モアはそのままバタリと気を失った。
私はモアをあれこれと工夫しながらおんぶした。
私の中へ戻るのは今は無理だろう。私はこの子を出すことはできるけど自分の中へ入れさせることはできないからだ。
「お医者さんにいかないと」
「いや、イーリスのところへ行く」
アヴェルは断定した。
「あいつ、治療の魔法が一番特化しているんだよ。治療の魔法を得意とする緑の属性の持ち主だからな」
イーリスへのところへついたのは、夜中だった。
申し訳ない、と思いつつドアをガンガン叩くと、イーリスは寝ぼけナマコで出てきた。
「んー…?なんで、アクアたちがいるのー?夢?」
「イーリス、仕事だ。こいつを治してくれ」
アヴェルが途中から背負ってくれたモアを抱きかかえるように持ち直し、イーリスへと突き出した。
その瞬間、イーリスはパッと目を覚まし、いつもどおりキリッとした顔で頷いた。
モアを二階(イーリスの自室)のベットへ寝かせ、イーリスは呟く。
「”癒やしの葉”」
ボワッとイーリスの中心から葉っぱが舞った。
それは淡く緑に光、ふわふわと中へ滞空する。
同時に、モアの体も淡く輝いた。
みるみるうちにモアの体中にある傷は消えていく。
それが全て消えたのを確認したあと、イーリスは葉っぱを消し、私達のほうへと向き直った。
「大丈夫、一晩寝かせていれば全快するわ」
それを聞いて、ホッとしたのだろう。
私は、そこから意識がなくなった。
イーリスの力をご披露の回でした♪
フラムさん、どんどん悪人に…




