20 もやもや
アヴェルは何か怒っているようだった。
すごくむすっとして、正直怖い。
…そして、悲しい。
どうしてそんな気持ちになるのかは不明瞭だったけど、とにかく、悲しかった。
「…アヴェル?」
「…た」
「?」
聞き取れなくて、首をかしげた。
その瞬間、アヴェルはバッと振り向き、私の肩をつかんで怒鳴った。
「どうしてあいつと関わった!」
「…っ」
泣きそうになった。
アヴェルのこんな顔、見たことなくて。
同時に、見たくもなくて。
だってアヴェルは、怒っているのに苦しそうだった。
それが嫌で、でも、なにがなんだか分からない。
「…そ、れは…たまたま…」
「あいつとだけは関わって欲しくなかったんだ!あいつは死神だ。火を操る、死神なんだぞ」
「…なんで、そんな、フラムさんのこと悪く言うのよ!」
理不尽な怒りに耐えられなくて、叫んでしまった。
それがさらに、アヴェルの怒りに火をつける。
「フラムの肩を持つのかよ!」
「うっうるさい!だっていい人だもん!イーリス運んでくれたり、優しくしてくれたり!」
「お前は何も知らないからそんなこと言えるんだ!」
「何も教えてくれないのはアヴェルでしょ!?」
ドン、とアヴェルの体を突き放す。
アヴェルの顔は見えない。見たくもない。
「アヴェルの馬鹿ーーーーっ!!!!!!」
涙を懸命にこらえ、アヴェルを睨みつけて私は走り出した。
森の方へ。来た道を。
アヴェルから離れるように、早く、早く早く。
涙が溢れた。
ぽろぽろぽろぽろと、とどめなく、瞳からこぼれ落ちる。
世界が滲んだ。
前が見えなくて、ドン、と何かにぶつかった。
「あ、ぅ…」
小さく呻き、うずくまると、上から声が降ってきた。
「…アクアさん?」
はっと上を見上げると、フラムさんがいた。
「ふ、らむ…さん…」
「どうしたんですか!?アヴェルと何かあったんですか!?」
「う、うう…うぁあ、ああ…っ」
私は、フラムさんにすがりついて、大声で泣きだした。
書くのが凄く楽しかったです!!こういう話大好き!!
ここから恋愛に入っていくかな?




