第十三章 無縁 三話
今回は手術の展開ですが、間違ってるところが多いかもしれないので、何卒、ご容赦ください。
必要なカルテとレントゲンの写真、その他、諸々に、しっかりと目を通し、ソルの手術の日。
院内では緊張の波が広がっていた。
ダージュとルチン、それ以外の助手たちと念密に打ち合わせをし、いざ手術へ。
ソルは全身麻酔で既に台の上で眠っていた。
今回は、ロボット支援手術が設けられる。
「これより、小細胞肺がんの除去による、胸腔鏡下手術を行う」
「宜しくお願いします」
「メス」
互いが指定された位置で、ダージュが仕切り、ルチンがメスを手渡す。
手慣れた手付きで、脇や背中を十五センチ切開する。
この時、あまり切開しすぎると、出血量もそうだが、大切な臓器などが漏れ出る可能性があるため、ダージュは必要最低限の切開をしていく。
開き終わると、ロボット支援による手術が開始される。
双眼から覗き込み、メスやハサミを器用に使い、癌がある肺を切除していく。
その際に、ルチンや他のアシスタントが、ガーゼやサクションで血を拭ったり、バイタルの確認、道具の的確な受け渡しをする。
肺を上手く切除し終えると、次はリンパ節郭清を行う。
その頃にはダージュは神経をだいぶ使い、額から汗が滲み出ていた。
それにいち早く気付いた、隣にいるルチンがガーゼで拭いとる。
ここまではスムーズ。
「思ったより、筋肉が硬くてリンパまでたどり着けない。ルチン、筋弛緩剤を0.5ミリ投与してくれ」
「はい」
ダージュの指示にすぐさま動くルチン。
ルチンは筋弛緩剤と思われる薬剤を注射でソルに投与する。
だがここである異変がソルの身に起こる。
「ん? なんだこの出血の量は⁉」
双眼で覗き込んでいたダージュより一早くその異変に気付いたのが、アシスタントの一人の医師。
その言葉でダージュの視界が血液で覆われる。
そして、すぐさま、バイタルが低下する音が手術室に響き渡る。
既に、ソルは血液を傷口から三リットルを排出していた。
ソルの体重は七十四キロ。
七十キロの体重の人間の血液量は、約5.6リットル。
半分を下回り、ガーゼやサクションでは足りず、血は床にまで広がっていた。
「急いで輸血の量を増やせ! それから鉄剤の投与だ! 可能な限り投与しろ!」
「はいっ!」
急いでダージュが指示を出し、ルチンたちが血相を変えて処置を行う。
しかし、血の量が足りず、脈が無くなり、虚しくも、ソルは呼吸が止まり、この世を去った。
懸命に抗ってきたが、どうにもならなかった。
ダージュが、あまりにもショックで手術室の前にあるベンチに腰掛け、手で顔を覆い、俯いていた。
その間、ルチンが他の医師たちを帰らせ、一人で術後の対処を行っていた。
悲しく、後片付けをしていたと思いきや、そのルチンの表情からは、いままで誰にも見せた事のない、悪魔の様な笑みを浮かべていた事は、誰も知る由はない。
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