第十三章 無縁 一話
第十三章では、ダージュの生い立ちについて語られます。
できるだけコンパクトに書くつもりですので、何卒よろしくおねがいします。
結論から言おう。
ダージュは万能薬だ。
紙に書かれた内容の最初に、この様に書かれており、一体なんの事か分からないマチルダ。
息を呑むように続きを読んでいく。
ダージュは、どんな病すらも罹らない。
しかも、ダージュの血は、血液型に関係なく輸血できるだけでなく、難病に罹っている重篤患者すら治癒してしまう。
専門家の間では、ダージュの血を竜血浄と言い、ダージュには竜種と言う、新たな種族として認知されていた。
モチーフの竜は、遥か古の文明の空想上の生物。
竜は病にかからない、不老不死に近い生物として称えられていた。
科学者たちは、ダージュに人類存続の立役者になる逸材だとして、アメリカで独占されていた。
だが、これはアメリカのごく一部の科学者にしか知らない。
三十年以まえの昔の話。
ダージュはどこにでもいる一般家庭の平民だった。
ダージュの両親は、子供であるダージュを溺愛し、ダージュもまた、その愛に答えてきた。
よく笑い、よく泣き、よく食べる。
幸せで充実した毎日を過ごしていた。
だがある日、ダージュが交通事故に遭い、右足の脹脛を切ってしまい、怪我をしてしまった。
幸いなことに軽傷で済んだ。
ここで医師が、念のため健康診断も兼ね、ダージュから採血を取る事に。
医療機関がダージュの血を調べていると、明らかに普通の人間の血とは異なる成分が含まれていた。
普通の人間の血の成分は、液体成分、血漿が五十五パーセント、個体成分の血球が四十五パーセント、トータルで百パーセントの血液で占めている。
だが、ダージュの血は血漿が三十五パーセント、血球が二十五パーセントの計、六十パーセント。
そして残り、四十パーセントに人間や動物とも違う成分の血液。
個体でもなければ、液体でもない成分。
更に、その謎の血液には、水分やタンパク質、赤血球や白血球などは含まれておらず、どの科学の部門の成分にも該当しない、未知なる成分が検出された。
その未知の成分だけを抽出しようとしても、不可能だった。
謎に満ちた血液と成分。
そこで医療機関は、科学者にダージュの血を資料付きに輸送し、調査を依頼した。
科学者たちもお手上げで、誰もが眉を顰め匙を投げる始末。
誰もが諦めかけた。
そんな中、一人の科学者が、面白半分で、マウスにダージュの血を射ち込み、実験して見る事に。
それは無断で、その科学者のみが秘密裏に行っていた。
時が経ち、三年後。
そのマウスの寿命が迫っていた。
念のため、そのマウスを解剖し、胆のうなどの臓器を調べる。
だが、これと言った変化はない。
科学者は、大して他のマウスと違いがない事に呆れ、実験を止めようとした。
しかし、そこで更なる展開があった。
ダージュの血に興味が湧きだした、もう一人の別の科学者が、別の可能性を見出した。
それが病に効くかどうかと言う検証だった。
その科学者の名はジギリ・ペンドラゴラと言う若い男。
ジギリは行為で一匹のマウスのサルモネラ菌を増幅させ、病に罹らせた。
病に罹ったマウスにダージュの血を投与して、数日たった日に、マウスの血を顕微鏡で調べると、サルモネラ菌が一定数の数値にまで下がっていたのだ。
これはもしやと思い、今度は人間で実験したくなったジギリは、科学者をやりながらその裏で売人と関係を持ち、人身売買にまで手を染める。
一人の人間を買い、家の地下牢獄でその人間に行為でガンに罹らせ、ダージュの血を投与する。
すると、ガン細胞は死滅し、その実験台になった人間は、一命をとりとめた。
ジギリはますます、ダージュの血に飢え始めた。
その頃ダージュは、六歳くらいの子供だった。
ダージュの居所を掴んだジギリは、ダージュを誘拐しようと企てる。
深夜、ダージュの家に忍び込んだジギリは、深夜にも関わらず起きていた両親を殺害。
その後は家の寝室など探したが、ダージュの姿は無かった。
「くそっ!」
苛立ちながらもジギリはダージュの家を出ていく。
次の日には、ダージュの両親の遺体が発見され、偶然にも、祖父母の家で泊まっていたダージュは助かり、祖父母がそのままダージュを引き取った。
ジギリは捕まり、死刑となる。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回の投稿はここまでです。
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