転生人語#053 ーSNSの既読―
誰かを想っていると、ちょっとした沈黙やすれ違いが不安を呼び起こす。そんな“待つ時間”の中だけで分かる気持ちがある。
情報の多い今では、たった一つの連絡が埋もれてしまうこともあるのかもしれない。今もそんなことにもがいている僕がいる。
***
彼女の既読がつかない。
一時間、二時間、三時間。
スマホを開いては閉じ、閉じてはまた開く。
通知が来ないだけで不安になる。
何をしてるんだろう。
忙しいのか。
僕と分かって無視してるのか。
昼休み、同僚が笑いながら言った。
「既読つかないくらいで不安になるなんて、惚れてる証拠。振り回されてるよ」
返す言葉がなかった。
もっと落ち着いた恋愛をしたい。
こんなにも不安で、もろい関係なんて疲れる。
SNSなんて無ければいいのにと思う。
既読通知にビクビクしてるなんて、あんまりだ。
既読もつかない、返事もないなんて耐えられない。
少し前の電話の時代なら、電話がつながらないとイライラしていたのだろう。
もっと昔は手紙が届くのを待ち、何日も何週間も返事を待っていたに違いない。
今の僕は既読がつくのを待つだけでも耐えられないのに、何度かけても電話に出ないとか、手紙の返信を何週間も待つなんて想像がつかない。
夜、ベッドに横になりながらうとうとしていると、スマホの画面が光った。やれやれと思ったが、ニュースアプリの通知だった。
「またか…」
小さくため息をつき、画面を伏せる。
既読がつかないとは「嫌われている」という訳ではないはずと、何度も言い聞かせる。
期待して、落ち込んで、また期待して、また落ち込む。
そんなことを繰り返すと、僕がどれだけ彼女のことを想っているかを知る。
深夜一時。
眠れずにスマホを手に取る。
画面には未だに既読が現れない。
僕の送ったメッセージがそこに残っている。
待つ時間は苦しい。
その苦しさの中で、僕の気持ちの深さを知る。
スマホを閉じて、目を閉じる。
明日になれば彼女の既読がついていると信じて。
***
既読がつかないことで、不安でしょうがなくなる人もいる。
そもそも、既読がついて返信が来たとしても、安心できるのか。
そう思うと、待つ時間は長いけど、自分の気持ちがはっきりしていく。
昔は待つ時間で「腹が座る」なんてことも言っていた。
今は便利になったおかげで、せっかちに答えを急ぎ過ぎる。
もっと悠長な気持ちを持てれば、もっと楽しめるのに。
読んで頂き、ありがとうございます。
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#100まで続けます。
ようやく転生人のプロファイルを確定しました。
超有名人です!
#100までには明らかになるようにします。
みなさん、誰だか予想しながら、お付き合いください!




