表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生人語  作者: 岩田 ヒロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/59

転生人語 #045 ― 恋愛は最高の? ―

 人は誰かの一言で気持ちが晴れたり、落ち込んだりする。そうやって恋の予感にいつの間にか気づく。若い“私”も何かが始まろうとしているようだ。


 ***


 腹ペコは最高のスパイス。寝不足は最強の睡眠剤。じゃあ恋愛は?と考えたのは、あの日の夜だった。


 仕事でミスをして落ち込んでいた帰り道、彼から「今日、少し話せる?」とメッセージが来た。


 その一言で、沈んでいた心が少しだけ浮き浮きした。会いたい気持ちと、弱っている自分を見られたくない気持ちが胸の中でぶつかり合ったけれど。


 駅前で彼を見つけた瞬間、

「大丈夫?なんかちょっと暗い顔してる」と、言われた。そういう私に気づいてくれて嬉しかった。


「仕事でミスしちゃって」

「そっか。たいへんだったな」

 その言葉に、涙が出そうになるのを必死でこらえた。


 信号で立ち止まった時、彼の肩が少し触れた。離れればいいのに、なぜかそのまま動けなかった。触れているのはほんの一部なのに、心臓の音だけがやけに大きい。


 信号が青になると彼は私の手をつないで、歩き出す。

「手、冷たいね」

「今日はずっと緊張してたからかも」

 彼の手は温かかった。


 その温度に、安心と不安が同時に押し寄せる。

 “このまま好きになっていいのかな”

 “期待しすぎたら、傷つくかもしれない”

 そんな考えが頭をよぎるのに、手を離したくなかった。


 ご飯を一緒に食べて、おしゃべりして、笑って、家に着く頃には、ミスのことも、上司の顔も、もうどうでもよくなっていた。代わりに、彼の声と手の温度だけが、ずっと残っていた。


 だから私は思う。

 恋愛は最高の“現実逃避剤”だ。

 効き目は強烈で、副作用が怖いけど、それでもまた会いたくなるのだから、もうやめられない。


 ***


 そもそも、恋とは好きな人の言葉ひとつで心が晴れる妙なる薬である。元気のない“私”が、彼の手の温かさや言葉で軽くなるのも、薬が効いたからだろう。その会話の余韻は、きっと彼女の胸に長く残り、”私”を止めることは出来なくなるに違いない。


読んで頂き、ありがとうございます。

評価と応援よろしくお願いします!

毎日更新しています。フォローして頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ