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転生人語  作者: 岩田 ヒロ


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転生人語 #043 ―彼女は年下で、僕は弱い―

 愛情表現は人それぞれだ。育った環境によってもまるで違う。僕も困っているようで、どこか満たされてもいる。こういう男は案外多いのかもしれない。


 ***


 僕の彼女は、年下らしくて、年下らしくない。


 自由奔放で、気まぐれで、思いついたことをそのまま口にする。昨日は「あそこに行きたい」と言っていたのに、今日は「やっぱりこっちがいい」と言う。


 あれが欲しい、これも欲しい。

 あれが食べたい、これも食べたい。

 今すぐ会いたい。迎えに来て。


 甘やかされて育ったからわがままなのか。それとも、僕がどこまで応えるのか試しているのか。


 でも、僕が彼女の言いなりになるのは、嫌われたくないからじゃない。


 彼女は、最後の最後で必ず優しくなる。わがままを叶えたあと、あるいは僕が困っている時、ふっと表情が変わる。


 その顔が、たまらなく年下なのだ。

「よしよし、いじめてごめんね」と言っているような、あの甘い顔。


 ムチのあとにアメをくれる。アメ欲しさに頑張っているだけなのかと思うと、情けない気もする。


 尻に敷かれているとは思わない。ただ、彼女の優しさをもらうまで頑張ってしまう僕は、確かにちょっと弱い。


 でも、はっきりしていることが一つある。

 彼女は、僕にとって初めての年下の彼女だということ。


 こんなにも「守りたい」と思ったのは初めてだ。

 こんなにも「叶えてあげたい」と思ったのも初めてだ。


 今日も僕は、彼女のわがままに全力で応えるのだろう。

 あの年下の笑顔と、あの優しさをもらうために。


 ***


 言うことを聞く彼氏は、度が過ぎれば都合のいい人で終わるかもしれない。


 でも、年下の彼女に振り回されるのは、悪いことばかりじゃない。僕たちのバランスは、僕たちだけのものだ。


読んで頂き、ありがとうございます。

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