転生人語 #037 ―虫の知らせが導くもの ―
虫の知らせという、今の科学でも説明しきれない感覚がある。
今でもそんなものを感じる人は、どれくらいいるのだろう。
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僕は自慢ではないが、子供の頃から“嫌な予感”がよく当たる。
しかも、悪いことは起きるのに、最後はなぜかうまく収まることが多い。
まずはじゃんけん。子供の頃から「これは負けるな」と胸騒ぎがする時は、必ず負ける。気持ちで負けているだけなのかもしれないが、そんな時は勝負そのものを避けるようになった。
夜、ふと目が覚めることがある。すると数分後に地震が来る。
昼間は感じないのに、寝ている時だけはなぜか察知できる。
最近は目が覚めると「あ、来るな」と思って、目を閉じて待つようになった。大きな災害に遭っていないのは、不幸中の幸いだ。
寝つけない夜もある。そんな翌朝は、決まって親戚の訃報が届く。一年で三回続いた時は、さすがに胸が痛んだ。もっと会っておけばよかったと後悔した。
胸騒ぎがして実家に電話したら、母が人間ドックで精密検査になったと聞かされたこともある。結局大事には至らなかったが、電話で元気づけられたのは良かったと思う。
仕事でも、オンラインで済む会議なのに、なぜか「行ったほうがいい」と感じて出向いたことがあった。会議後、その職場のエースが転職を考えていると聞き、1時間ほど話をした。不満が溜まっていたらしい。F2Fで話せたことで彼が思い直してくれたのは、直感に従って良かったと思えた瞬間だった。
古い友人に「会いたい」と急に思って連絡したら、離婚を考えていると言う。誰にも相談できなかったらしく、僕と話せたことをとても感謝してくれた。結局彼は離婚したが、あの日の会話が背中を押したらしい。
そして、なんとなく胸騒ぎがして彼女に電話した夜。やはり落ち込んでいた。仕事でミスしたらしい。
「気にしないほうがいいよ」と慰めて電話を切った。
翌日、彼女はなんとか事態を収めることができたようで、あの電話をとても感謝してくれた。
そんな僕は、最後は“直感”で彼女との結婚を決めた。どんな悪いことがあっても、彼女となら乗り越えられると思ったからだ。
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そもそも、嫌な予感や胸騒ぎは、人間が昔から持つ特殊な感覚なのかもしれない。いや、人間だけでなく、動物も植物も持っているのかもしれない。虫の知らせを、どうか大事にしてほしい。
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