表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生人語  作者: 岩田 ヒロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/59

転生人語 #036 ―覚えてくれているという贈り物 ―

 誕生日か。遥か昔には青臭い思い出がいくつかあったはずだ。プレゼント?何をあげた?何をもらった?……思い出そうとしても出てこない。歳をとり過ぎたからだろうか。


 ***


 これまで付き合ってきた女の子から、誕生日プレゼントをもらったことは確かにあった気がする。


 なのに、何をもらったのかがまったく思い出せない。服?ネクタイ?チョコ?……いや、チョコはバレンタインだ。ケーキ?パンツ?


 おかしい。どれも記憶にない。


 逆に、僕が彼女たちにあげたプレゼントは鮮明に覚えている。ピアス、指輪、ネックレス、手袋、腕時計。そういえば花束を渡したこともあった。


 なぜだろう。もらったものは忘れて、あげたものだけ覚えているなんて。


 思い当たる理由がひとつある。


 僕には、誕生日プレゼントで“どうしても欲しいもの”が特になかった。だから、何をもらっても「とても嬉しい」という強い記憶にならなかったのだ。


 ふざけて「僕が欲しいものは君」なんて言ったことは何度もあるけれど。


 あげるプレゼントについては、一緒に出かけたときに彼女が「これ欲しい」と言ったものを覚えておいて、誕生日に渡すようにしていた。


「えー、これ欲しいって言ってたの覚えてくれてたの?うれしい」

 そう言われると、こちらまで満たされた気持ちになった。


 そういえば、プレゼントではなくても、僕の誕生日を覚えてくれているだけで嬉しかった。その一言で、その子のことを特別に意識したこともある。


 そうか。プレゼントそのものより、“覚えてくれていること”が、二人にとっての特別なハッピーになるのかもしれない。


 ***


 そもそも歳をとると、自分が何歳かなんて忘れる。数えるのも面倒になる。ましてやプレゼントをもらっても、若い頃のように心が跳ねたりはしない。誕生日をイベントとして祝うのは、若者の特権なのだろう。


 最近では、自分の誕生日に両親の墓参りに行く。

「産んでくれてありがとう」と伝えに。


読んで頂き、ありがとうございます。

気に入って頂けたら、ブックマークや評価をもらえると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ